月月に月見る月は多けれど
月見る月はこの月の月
十五夜を称えた、詠み人知らずの短歌です。
「月」が八つ出てきますが、日本語では、
空の月(moon) も 月日の月(month) も、どちらも「月」
下の句最後の3つの月(月見る月はこの月の月)の
それぞれの月が、どちらの月なのか、考え込んでしまいます。
歌の意味は、
「毎月毎月、月を鑑賞できる月は多いけれども、
月を観る値打ちがあるような名月といえば、まさに今月のこの月です」
あるいは、
「毎月毎月、月を鑑賞できる月は多いけれども
名月を観るのに最適な月といえば、、この美しい月が出ている今月です」
どちらでしょう?!
さておき、きょうは、十五夜、中秋の名月。
中秋の名月は毎年日が変わります。
九月七日から 十月八日までの間に訪れる満月の日が、
十五夜・中秋の名月です。
いにしえの平安の貴族の間では、舟遊びをして、池の水面に
あるいは杯に映って揺れる月を愛で、歌を詠み、
月見の宴を楽しんだと聞きますが、
現代のお月見といえば、すすきを飾って月見団子や里芋や栗をお供えして
月を眺めて楽しむ、という感じでしょうか。
かつては、月の満ち欠けによる暦をもとに、生活し、
農作業が行われてきました。
月とともに成長していく作物の実り、
秋の収穫を供えて、月に感謝の気持ちをささげていたのでしょう。
秋は空気が澄んで、天気のいい夜は月がことさら美しいですが、
毎年、この時季は台風シーズンで、空模様が不安定。
先日から相次ぐ台風の影響で、心配です。
江戸時代にも 「中秋の名月、十年に九年は見えず」
と言われていたそうで、今も昔も、名月が見られるかどうか
気をもんでいたのですね。
お月見といえば、先程も出てきた「月見団子」
月見団子は、まんまるく形作ったお団子を球形の月に見立てたものです。
ほかに、月見のつく食べ物といえば、月見うどん(そば)。
月見うどんは、うどんの上に(生)卵を落とし、黄身を月に見立てたものです。
今年のお月見は、半熟卵で肉巻き卵を作ってみました。
卵は、とろとろの半熟に仕上げましたが、
ご家族のお好みに合わせて
秋のお月見のおともにいかがでしょう。
◆肉巻き半熟卵
【材料】(4個分)
卵 4個(M寸)、 豚薄切り肉 160~200g、
A 【醤油・みりん・酒 各大さじ2、生姜汁 少々】
小麦粉・ごま油 適宜
付け合せ野菜(キャベツ、ピーマンなど)
【作り方】
1.好みの茹で加減でゆで卵を作る。
ご参考までに→(半熟、かた茹で…好みのかたさのゆで卵の作り方)
2.Aをまぜて合わせ調味料を作っておく。
3.1のゆで卵の周りに小麦粉をまぶしつけて、豚肉を巻く。
(最初、縦に巻き、それから、横にくるくると巻いていく)
まわりにも小麦粉をまぶし、軽くにぎるようにしてなじます。
4.フライパンにごま油を熱し3を焼く。回しながら全体に焼き色が
つくよう、香ばしく焼く。
5.キッチンペーパーでフライパンの油を軽く拭き取り、
Aを回し入れ、煮からめる。横で付け合せの野菜
(ここではピーマン)を炒める。
6.キャベツの千切りとともに盛り付ける。
※ 調味料は、お好みで、甘みを加減してください。
※ ごま油の量は、豚が赤身であればやや多い目、
三枚肉など脂肪が多いときは控え目に。
※ 付け合せ野菜は、ピーマンのほか、青菜やきのこなど、
キャベツの代わりに、ちぎった水菜、さっとゆでたもやしなども
よく合います。
※ M寸の卵1個につき豚肉40~50gで、全体にすきまなく巻けます。
【今回使用したのはコチラ】
(白)ごま油