冬のおねぎ~青ねぎとお餅の胡麻炒め

大寒も過ぎ、寒さが身にしみる今日この頃。
この寒さの中、冬の葉野菜は 凍らないように糖分を多く蓄えるので、
甘みがまして、美味しくなっています。

中でも、おねぎ…
一年中ありますが、今が旬の冬野菜。
底冷えするこの時季が、一番おいしいのではないでしょうか。

「おねぎ」といえば、だいたい
関東の方では、白ねぎ、
京都では、青ねぎのことをいいます。

京野菜の九条ねぎ等 青ねぎは、
深い緑色の葉の部分が柔らかく風味が豊か。そして、
内部に「あん」とも呼ばれるぬめりが多いのが特徴です。

おねぎは、脇役として、肉や魚の生臭さを消し、
また、薬味として風味や香りを楽しめます。
鍋料理には、欠かすことのできない食材です。

また、ねぎ特有の辛味には、食欲の増進のほか、
疲労回復や体を温める効果、風邪の予防効果もある、
この季節に嬉しい野菜なのです。

脇役や薬味だけではなく、主役にしてたっぷり
いただきたいものです。

きょうは、この季節が格別に美味しい青ねぎを
お餅と炒める一皿をご紹介いたします。

おねぎをお餅と一緒に炒めて、
お醤油(とみりん)、かつお節、
そして、たっぷりの黒胡麻をからめる、
かんたん手軽にできる、美味しい一品です。

022_

◆ お餅と青ねぎの黒胡麻炒め
【材料】(約4人分)
  お餅 4個、 青ねぎ 1把、 ごま油 大さじ2
  醤油 大さじ1.5~2、 みりん 少々 
  かつ節パック 1袋(約3g) 黒すりごま 大さじ4~5、 

【作り方】
  1.お餅は、食べやすく切る。(丸餅は、放射状に6つ切り、
     切り餅は、6~8つの長方体に切る) 
     電子レンジで1分~1分30秒加熱して、すこしやわらかくする。
  2.青ねぎは斜め切りにしておく。
  3.フライパンにごま油を熱して、青ねぎとお餅を入れて、炒める。
     お餅がやわらかく、青ねぎに少し焼き色がつくと、醤油とみりんを
     まわしかけて、かつお節、ごまを全体にからめて火を止め、
     器に入れる。

   ※ お好みで白すりごまも美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油                                                                    
        

すり黒
すりごま(黒)

 

揚げない揚げ出し餅

一月は、松の内が終わってからも
お餅を食べることが多い我が家です。
お正月の残り、というのではなく、
お正月のお餅を冷凍保存して、とりあえず一月中 楽しんでいる、
という お餅好きの私です。

そもそも、お正月には、なぜお餅を食するようになったのでしょう…。

それは、時代をさかのぼって平安期、宮中で行われた
「歯固めの儀」という正月行事から始まっているようです。

健康と長寿を祈願したこの行事に、
お正月に 神棚や床の間に鏡餅を飾る風習も、
お餅をいただく習慣も、由来しているとか。

もともとお餅は、「ハレの日」に神さまに捧げる神聖な食べ物だったので
お正月にお供えするのは、自然なことです。
長寿祈願の「歯固めの儀」に、
長くのびて切れないことから、長寿を願う意味もあるお餅は、
欠かせない食べ物になり、そこから、
お正月とお餅が密接になったのでしょうか。

お餅のうんちくはさておき、
とにかくお餅は美味しいです…
そして、食べ方のバリエーションが豊富。

お正月は、お雑煮から始まって、
きなこ餅やら、磯部餅、あんこ餅、大根おろし餅、
納豆餅、おぜんざい、餅茶漬け・・・

軽食になるものあり。ほっとする甘いおやつもあり。

お雑煮については、地方によって、丸餅あり角餅あり。
焼いたり、焼かなかったり。
白味噌仕立てやすまし汁仕立て。
具もびっくりするほどいろいろ。

お雑煮談義ほど、故郷の話がはずむものも
あまりないのでは…!?…と思うほどです。

近年、切り餅が普及して、いつでもお餅が食べられ、
昔ほど、お餅のお正月ならでは感は薄れてきました。
風情という点では、ちょっと残念ですが、
お餅好きには、ありがたいことです。

いまや、ピザやグラタン、煮込み、炒め物に、揚げ物に…と
中華風、韓国風、洋風、イタリア風、フランス風、エスニック風と
アレンジ料理も、それはそれは たくさんあります。

さて、そんな中から、きょうは和風の「揚げ出し餅」を
作ってみました…揚げずに。
(正確には、揚げ出し風餅です)

ごま油で色よく炒め焼きにしたお餅に、熱い
だし汁をかけて、大根おろしと薬味でいただきます。
揚げてないけれど、ごま油の香ばしい風味で、
コクのあるお味です。

消化がいいお餅を、大根おろしでさらに消化よく、
そして、身も心もあたたまる、軽食にぴったりの
一品です。
そう、受験生の夜食にもうってつけ。
是非、おためしください。

150124a

◆ 揚げない 揚げ出し餅
【材料】(約4人分)
   お餅 4個、  片栗粉 少々、 ごま油 大さじ3
   A 【だし 3カップ強、 うす口醤油 大さじ2、 酒・みりん各大さじ1、
     塩・砂糖 各少々】
   大根おろし・削り節・刻みねぎ・おろし生姜 各適宜
   白すりごま 約大さじ1

【作り方】
1.お餅に片栗粉をまぶし、フライパンにごま油を熱して、ゆっくり
   両面に焼き色がつくまで炒め焼きにする。
2.焼いている間、Aを鍋で煮立てて、味を調える。
  (大根おろしを入れるので、やや濃いめにする)
3.1のお餅をお椀に入れて、2のだしをはり、上に、
  大根おろし、削り節、刻みねぎ、おろし生姜をのせ、
  白すりごまをふりかける。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油                                                           

すり白
すりごま(白)

 

小正月~小豆と黒ごまで…

新しい年を迎えて、いつのまにやら
半月が過ぎました。

きょう一月十五日は「小正月」。
小正月、という言葉、最近ではあまり耳にしなくなりました。

大正月(元日、または元日から七日)に対して、
小正月、と言い、女正月、という呼び名もあります。
大正月に忙しく働いた女性たちが、
年賀行事が一段落したこの時期に一息ついたことから
きているようです。

小正月でお正月も終わり、とみなす地方もあるようです。

この日には、全国各地でどんど焼きが行われますが、
これは、門松やしめ縄などのお正月飾りを
火にくべて焼き払う日本の伝統行事です。

この火で、鏡餅を焼いて食べると一年を健康で過ごせる、
という言い伝えがあったり、どんど焼きは、無病息災や
五穀豊穣を願う行事のようです。

無病息災を願う、というと、小豆粥をいただく習慣もそう。
昨年のこちらのページに書いております。→小正月に小豆粥

お祝いごとに、お赤飯をいただくように、
小豆の赤は、おめでたい色。と同時に、
厄を除ける力をもつ、特別な色でもあります。

ちなみに、小正月に小豆粥をいただく風習は、
なんと平安時代からあったようで、
『枕草子』や『土佐日記』にも、記載があるそうです。

『土佐日記』には、こんな一文があります。

「十五日、今日、小豆粥煮ず。口惜しく・・・」

その年(今から1000年以上前の900年代)、一月十五日に
紀貫之家では、小豆粥を作らなかったよう。
くやしく・・・と残念がってられるようすなので、
おそらく貫之さんは、小豆粥がお好きだったのでしょう。

ちなみに、胡麻は、その頃すでに日本に伝わっていましたが、
貫之さんは、小豆粥に胡麻をかけていたのかどうか、
気になるところです・・・?!

小豆粥を食べなかった方、
厄除けの意味もあり、健康にいい栄養価の高い小豆を
こんなふうにいただいてはいかがでしょう。

sum 042_

市販のゆで小豆で手軽にできる黒ごまぜんざいです。

小正月は、十四日から十六日、とも言われていることですし…
お正月のお餅も、まだ残っているかもしれませんし…
身も心もほっこりあたたかくなる黒ごまぜんざい、
是非作ってみてください。

◆ 黒ごまぜんざい
【材料】(約4人分)
    ゆで小豆 200g、 湯 100~200cc、  砂糖 適宜、 
    塩・濃口醤油 各少々、 黒練りごま 約大さじ2、
    餅 4コ、  黒炒りごま 少々

【作り方】
    1.鍋に黒練りごまを入れ、お湯を少しずつ加えて溶きのばす。
    2.ゆで小豆も加えて、弱火で煮る。
    3.砂糖を入れて好みの甘味にし、塩と醤油も加える。
    4.餅はゆでてやわらかくし、3に入れてさっと煮、
      器によそい、黒炒りごまを散らす。

  ※ 市販のゆで小豆の缶づめは、砂糖が入っているものが多く、
   また水分量が、メーカーによっていろいろなので、
    砂糖と湯の量は、好みで加減してください。
   (自家製のゆで小豆は、ひときわ美味しいです)
※ 砂糖は、黒砂糖を入れると、深い味わいになります。

【今回使用したのはコチラ】

ねり黒150練りごま(黒)


いり黒
炒りごま(黒)

謹賀新年~余ったお餅で胡麻もち♪

西暦2015年 平成27年 未年

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

1501;007 (2)

松の内の最後の日、という
少し遅い新年のご挨拶になりました。
(地方によって、松の内は1月15日までという所もありますが…)

1月7日は、五節句の一つ、人日の節句です。
人日(じんじつ)とは、字の通り「人の日」という意味。
邪気を祓うために、七草の入った粥を食べ、
一年の無病息災を祈る習わしがあります。

この節句は、江戸時代に公式行事となり、将軍以下
全ての武士が七草粥を食べて人日の節句を祝ったという、
武家には大変重視された祝日だったようです。
が、
現在では、七草粥の風習の方が有名になって、
人日という言葉は あまり耳にしなくなりました。

さておき、
七草粥は、春の七草(せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・
すずな・すずしろ)を入れますが、
地方地方で、入れる具はいろいろ。
堅苦しく考えずに、あり合わせの青菜を入れればよいと
思います。

我が家では、必ず焼いたお餅を入れます。
ぼちぼち、お正月のお餅がかたくなってくる頃、
いっしょに、胡麻もちも作りました。

1501;007 (1)

すり胡麻と砂糖を混ぜて、やわらかくしたお餅に
付けるだけの手軽さです。
胡麻の香ばしい風味と、やわらかいお餅が
よく合い、年齢を問わず人気があります。

おやつにも、朝食にも、おすすめ。
お餅が残っていたら、ぜひ作ってみて下さい。

◆ 香ばし胡麻もち
【材料】(約2~4人分)
(丸)餅 4個、  黒すりごま ・白すりごま 各大さじ4
粗糖(砂糖)大さじ2、 濃口醤油 小さじ1/4くらい
塩 ひとつまみ

【作り方】
1.黒すりごまに粗糖(大さじ1)、醤油をよく混ぜておく。
2.白すりごまに粗糖(大さじ1)、塩を良く混ぜておく。
3.予熱で熱くしたグリルかオーブントースターでお餅を焼く。
香ばしい焼き色がつくと、十字に四つ切りにする。
4.お餅をさっと湯通ししてから1、2をそれぞれたっぷりまぶして
  冷めないうちにどうぞ。

※ 粗糖の量は、お好みで加減してください。
※ 粗糖は、精製されていないので、カルシウムなどミネラルが豊富です。
※ お餅は、焼くと香ばしく風味がいいですが、ゆでるだけでも美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】
                                                             

すり黒
すりごま(黒)


すり白
すりごま(白)