新しい年を迎えて、いつのまにやら
半月が過ぎました。
きょう一月十五日は「小正月」。
小正月、という言葉、最近ではあまり耳にしなくなりました。
大正月(元日、または元日から七日)に対して、
小正月、と言い、女正月、という呼び名もあります。
大正月に忙しく働いた女性たちが、
年賀行事が一段落したこの時期に一息ついたことから
きているようです。
小正月でお正月も終わり、とみなす地方もあるようです。
この日には、全国各地でどんど焼きが行われますが、
これは、門松やしめ縄などのお正月飾りを
火にくべて焼き払う日本の伝統行事です。
この火で、鏡餅を焼いて食べると一年を健康で過ごせる、
という言い伝えがあったり、どんど焼きは、無病息災や
五穀豊穣を願う行事のようです。
無病息災を願う、というと、小豆粥をいただく習慣もそう。
昨年のこちらのページに書いております。→小正月に小豆粥
お祝いごとに、お赤飯をいただくように、
小豆の赤は、おめでたい色。と同時に、
厄を除ける力をもつ、特別な色でもあります。
ちなみに、小正月に小豆粥をいただく風習は、
なんと平安時代からあったようで、
『枕草子』や『土佐日記』にも、記載があるそうです。
『土佐日記』には、こんな一文があります。
「十五日、今日、小豆粥煮ず。口惜しく・・・」
その年(今から1000年以上前の900年代)、一月十五日に
紀貫之家では、小豆粥を作らなかったよう。
くやしく・・・と残念がってられるようすなので、
おそらく貫之さんは、小豆粥がお好きだったのでしょう。
ちなみに、胡麻は、その頃すでに日本に伝わっていましたが、
貫之さんは、小豆粥に胡麻をかけていたのかどうか、
気になるところです・・・?!
小豆粥を食べなかった方、
厄除けの意味もあり、健康にいい栄養価の高い小豆を
こんなふうにいただいてはいかがでしょう。
市販のゆで小豆で手軽にできる黒ごまぜんざいです。
小正月は、十四日から十六日、とも言われていることですし…
お正月のお餅も、まだ残っているかもしれませんし…
身も心もほっこりあたたかくなる黒ごまぜんざい、
是非作ってみてください。
◆ 黒ごまぜんざい
【材料】(約4人分)
ゆで小豆 200g、 湯 100~200cc、 砂糖 適宜、
塩・濃口醤油 各少々、 黒練りごま 約大さじ2、
餅 4コ、 黒炒りごま 少々
【作り方】
1.鍋に黒練りごまを入れ、お湯を少しずつ加えて溶きのばす。
2.ゆで小豆も加えて、弱火で煮る。
3.砂糖を入れて好みの甘味にし、塩と醤油も加える。
4.餅はゆでてやわらかくし、3に入れてさっと煮、
器によそい、黒炒りごまを散らす。
※ 市販のゆで小豆の缶づめは、砂糖が入っているものが多く、
また水分量が、メーカーによっていろいろなので、
砂糖と湯の量は、好みで加減してください。
(自家製のゆで小豆は、ひときわ美味しいです)
※ 砂糖は、黒砂糖を入れると、深い味わいになります。
【今回使用したのはコチラ】
練りごま(黒)