11月も中旬となり、秋真っ只中。
実りの秋、いろいろな農作物が美味しい季節です。
秋に旬を迎えるものに、里芋があります。
とろんとした口あたりに、ねっとりした食感の中、
ほくっとしたお芋感が美味しい里芋。
里芋は、日本には米(稲)よりも早く、
縄文時代に伝わったと言われています。
山ではなく里で栽培されていたので、
「里芋」と呼ばれるようになったとか。
「小芋(子芋)」とも言われるのは、里芋の親芋のまわりに
小さい芋が付いてできるからです。
親芋から子芋、孫芋…と次々と芋がつき、
子孫繁栄のおめでたい食材とされて、
お正月料理にもよく使われています。
ちなみに、かつては「芋」といえば、じゃが芋ではなく
里芋!だったそうです。
古くから、各地、とくに東北地方で、芋煮会など
秋の行事で重宝されてきました。
江戸期には、米の不作に備えて、里芋が作られていたこともあり、また
中秋の名月には里芋をお供えする…
…とにかく、日本人にたいへん馴染みの深い作物です。
里芋は、主に、でんぷんとたんぱく質が主成分。
食物繊維や、ビタミンB1、B2やカリウム等ミネラルが豊富。
脳細胞を活性化させて、老化を防止する働き、
血圧・コレステロールを下げる効果もあります。
独特のヌルヌルには、胃腸の表面を保護し、
胃潰瘍や腸炎を予防する効果もあるそうです。
身体にいいいろいろな働きがあるうえ、低カロリー。
嬉しい食材です。
さて、里芋といえば、煮物や汁物のイメージがつよいですが、
きょうご紹介するのは、里芋の和え物。
里芋を、里芋をつぶして味付けしたあえ衣で和えたものです。
もともとは宮崎県の郷土料理だそうですが、
練りごまを使って、すこしアレンジしました。
だしの美味しさと、胡麻の風味が、味を決めてくれます。
和え衣にねりこんだ胡麻が香り高くて美味しく、
ねっとりした口当たりがよくて、ご飯にもお酒のあてにも
ぴったり。
見かけはちょっと地味ですが、
味わい深く、まさに滋味。是非作ってみてください。
◆のた芋~ごま風味の里芋のとも和え
【材料】(約4人分)
里芋 約400g、 だし 300cc、
A【うす口醤油・ みりん・酒 各大さじ1、塩少々】
B【白練りごま・白みそ 各大さじ 1.5、
うす口醤油・みりん・酒・砂糖 各小さじ2】
白炒りごま 少々
【作り方】
1.里芋はきれいに洗って、皮のままゆでる。
(または、蒸す。または電子レンジで加熱する)
2.大体やわらかくなると、少し粗熱をとり皮をむく。
3.だしを煮立ててAと里芋を入れて10分ほど煮る。
4.2の約1/3量(煮くずれているところなど)を取り分け、
つぶして、Bと混ぜる。
5.残りの里芋を一口大に切り、4で和えて器に盛り、
白ごまをちらす。
※ 里芋をレンジ加熱するときの目安は、100gで約1分です。
※ 本来の「のた芋」は和え衣が甘口のようです。
お好みの味に調節してください。
【今回使用したのはコチラ】
練りごま(白)