きょう 2月21日は、「夏目漱石の日」だそうです。
作家や歌人などは、その作品にちなんだ名前等を付けた命日を
〇〇忌といって、その人や業績を偲びます。
芥川龍之介は「河童忌」
太宰治は「桜桃忌」
梶井基次郎は「檸檬忌」等など。
ちなみに、漱石は12月9日が漱石忌で、
昨年2016年が没後100年でした。
2月21日が漱石の日になったのは、1911年のこの日、
文部省が文学博士の称号を贈ると伝えたのに対し、
「自分に肩書きは必要ない」と漱石が辞退した日だからだそう。
…粋な文豪です。
忌日のほかにも、こんな記念の日があるのは、
漱石が人気がある所以でしょうか。
近代日本文学界の巨匠である人気作家で、
前の千円札の肖像としても親しまれていた漱石。
なかなか気難しい人物であった、と言われていますが、
意外にも、大の甘党だったようです。
胃が悪いのに、子供のように甘いものを欲し
上機嫌で食されていたとか…。
すべての菓子の中で最も好きだったのが羊羹で、
漱石の羊羹愛は、著書の中にも垣間見えているのです。
『吾輩は猫である』には、上等なお菓子として某老舗の羊羹が登場し、
また、『草枕』の中では
「…半透明に光線を受ける具合は、どう見ても一個の美術品だ」
という記述もあります。
こういう逸話を聞くと、急に漱石に親近感を感じる
大の甘党の私です。
さて、
羊羹には、小麦粉や葛粉に小豆等を混ぜて蒸す「蒸し羊羹」と
寒天と砂糖を煮溶かし、小豆等を入れて煉り、流し固めて作る
「煉り羊羹」があります。
漱石の大好物だった「煉り羊羹」、
寒天で固めるので手軽で、鍋一つで意外に簡単にできます。
今回 ご紹介するのは、黒練りごまを入れた
ごまの香りのいい、風味豊かな羊羹です。
練りごまの量を加減することで、
隠し味的にほんのりとごま?という感じに仕上げたり、
また、しっかりごまの香りや風味を楽しめるように仕上げたり、
お好みで作ってみてください。
15分くらいで作れます。
※ 山田製油のアンテナショップ「ゴマクロサロン」が面する御池通り。
ゴマクロサロンから東へ徒歩約15分の所に(鴨川に架かる御池大橋の南西)
夏目漱石の歌碑があります。
◆ 黒ごま羊羹
【材料】(約4人分)
黒練りごま 20~30g(約小さじ4~大さじ2)、
粉寒天 2g、 水 2/3カップ、
砂糖 30g、 小豆あん 200g、 塩 少々
白花豆の煮豆、ふかしたさつま芋、栗などお好みで
【作り方】
1.鍋に水をいれ、寒天を振り入れて混ぜ、弱火で煮溶かす。
へらで混ぜながら、沸騰してから2分ほど火にかける。
2.弱火のまま、砂糖、小豆あん、塩を加え、混ぜながら、
3~4分火を通す。
3.火から下ろして、黒練りごまを少しずつ入れてまんべんなく混ぜ、
粗熱を取り、さっと水を通した容器に流し、室温で固まるまで置く。
(容器に流すときに、お好みで、白花豆煮や、さつま芋、栗などを
入れても…)
4.切り分けていただく。
※ 流す容器は、流し缶(卵豆腐の型)や、牛乳パック、タッパーなど保存容器。
※ 小豆あんは、粒あんでもこしあんでもお好みのものを使ってください。
※ 粉寒天は4gの小袋入りが多いので、その約半量で作れます。
【今回使用したのはコチラ】
練りごま(黒)