明日は二月三日、節分です。
本来、節分は、
季節が変わる節目―立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日、
年に四回あるのですが、立春が一年の始まりの大切な日ということもあり、
いつのまにか、節分といえば、春…立春の前日を指すようになりました。
節分は、天体の運行に基づいて日が決まるので、
数年後からは、二月二日になることもあるようです。
「節分」といえばキーワードは、豆まき、鬼。
春を前に、厄や災難を祓うため豆をまき、
悪い鬼を追い出す行事、追儺式(ついなしき=鬼払い)、
節分祭がいろいろな寺社で行われます。
京都では、吉田神社、壬生寺、蘆山寺などが有名で、
厄除節分会の期間中(二月二日~三日か四日)には
大勢の人で賑わいます。
家庭では、節分の夜「鬼は外、福は内」と言って豆まきをします。
が、地方によっては、「鬼は外」ではなく「鬼は内」
の所もあると聞きます。
(もちろん「福も内」!です)
節分に限らずですが、行事にはいろいろ地方色があり興味深いですね。
そして、節分の食卓といえば、
いわしの塩焼き、福豆…は全国区だと思いますが、
それ以外、地方によって いろいろな風習があるようです。
けんちん汁(関東地方など)
こんにゃく(四国など)
なた餅(静岡)
豆を入れた福茶(各地…)
そして、大阪発祥で関西を席巻して広がる
恵方巻き!
恵方巻きは、京都大阪などでは、今や福豆や鰯をしのいで、
節分といえば 恵方巻き!…と言わんばかりの勢い。
節分の頃のスーパーやデパートのチラシ広告は、
いろんな具を巻いた恵方巻きが大きく目立っています。
「恵方」とは福をもたらすとされる歳徳神(年神様)がいらっしゃる方向で、
今年2017年の恵方は北北西。
そちらを向いて、願い事を念じながら無言で巻き寿司を丸かぶりする、
という、ちょっとおかしな、比較的新しい風習ですが、
巻くことで「福を巻き込む」 そして、
切らずに丸かぶりするのは「縁を切らない」
という意味が込められているのです。
さて、
こちらは、京都生まれで京都育ちの私が知らなかった風習なのですが、
京都では、「穂長汁」という切干大根と油揚げのお味噌汁を節分の日に
いただくそうです。
豆まきは、歴史をたどると奈良時代に遡るほど古く、また
恵方巻きは、ここ30~40年前から普及した 新しいもの。
この穂長汁が、いつ頃からのものかはわかりませんが、
「細く長く」という健康長寿・家運長命の願いが込もったものです。
切干大根といえば、主に煮物に使い、地味な印象ですが
とても栄養豊富な食材。
あまり汁物にしないかもしれませんが、包丁いらずで
さっともどすだけ、簡単手軽にお味噌汁ができます。
このレシピでは、切干大根をごま油で炒め、仕上げにすりごまをかけたので
香りと風味がよく、素朴な美味しさが引き立ちます。
節分の汁物に、是非作ってみてください。
◆ ごま香る穂長汁
【材料】(約4人分)
切干大根(細いもの) 20~30g、 油揚 小1枚
昆布だし 3カップ、 味噌 約大さじ3(50~60g)、
ごま油 小さじ1、 おろし生姜 少々、
白すりごま、小さじ4、 青ねぎ 少々
【作り方】
1.切干大根を洗って、水でさっともどし、ざるにあげて
軽くしぼっておく。油揚は、食べやすい短冊切りにする。
2.ごま油を少し熱して1を炒める。
(お好みでちょっとだけ焼き目がつけると香ばしい)
3.だしを加えて沸騰すると弱火で3~4分煮て、味噌を溶き入れる。
4.ふつふつすると火をとめて器によそう。
おろし生姜、白すりごま、青ねぎをちらす。
(お好みで、ごま油を少したらす)
※ 切干大根は、少し歯ごたえがある方が美味しいので、
戻しすぎないように。水につけると栄養が流れ出るので
ボウルでよく洗って、ざるに上げるくらいでOKです。
※ 味噌は、お好みのものを入れてください。
写真のものは、赤味噌を少し混ぜています。
ちょっとクセのある切干大根に合うようです。
※ お好みで、七味とうがらしを添えても…
お出かけのご参考までに
吉田神社→★
京都で節分祭といえば、吉田神社!というくらい有名。
普段は閑静なお社なのですが、節分会の時は、
参道に多くの露店が出て、夜遅くまで賑わう。
壬生寺→★
壬生狂言で有名な 新撰組ゆかりの寺。
壬生狂言は、「節分」という狂言が午後1時より1日8回公開される。
境内で売られる炮烙(ほうらく・素焼きの皿)に 年齢・性別を書き奉納する
「炮烙奉納」で知られる。
蘆山寺→★
赤・青・黒鬼が踊り狂う「鬼法楽」は、見応えあり!
【今回使用したのはコチラ】
(白)ごま油