ごま香る 変わり白味噌雑煮

一月も残り僅かになりました。
明日は、晦日正月(みそかしょうがつ)、
一月の最後の日です。

「正月」は、一般的には「お正月」を祝う期間のことですが、
一月の別名でもあります。

晦日正月には、地方によっては、
お年始に回れなかった親戚を訪ねたり、また、
お餅をついて神様にお供えしたり…という所もあるそうです。

お餅、といえば、
先日、日本全国各地のお雑煮の話で盛り上がりました。
地方によって異なる「食」に関する話の中で、
一番盛り上がるのが、お雑煮!

京都のお雑煮…白味噌仕立てのお雑煮は、
けっこう有名だと思います。
が、よく耳にするのが

 白味噌雑煮が「おいしく作れない…」「味が決まらない…」

というご意見です。

白味噌雑煮大好きで、お正月以外でも 白味噌雑煮を作って食べる私、
美味しい白味噌雑煮を作る秘訣をお伝えします。

一、上質の白味噌を使う

え~?! そんなこと!? と思われるかもしれませんが、
大事なことです。少々値段が張るかもしれませんが、いい材料を使った
上質の白味噌は、熟成による自然な甘みで、麹の香りがよく美味です。
水飴等で甘みを足しているものや、保存料の入っているものとは
一味違います。

一、白味噌はたっぷり目に使う

ふつうのお味噌汁を作る感覚で白味噌を入れては、足りません。
たっぷり…銘柄によりますが、だし2カップに100~140gを目安に、
お好みで味をみながら、溶かしてください。
白味噌の量が多いので、だし汁を白味噌に加えてゆるめてから
鍋に戻すとむらなく混ざります。

一、だしは、昆布だし

基本、お正月のお雑煮は 神仏にお供えするので 精進。
かつお節を入れずに昆布だしです。昆布の控えめなだしが、
白味噌の風味を引き立てます。
お好みで、かつおのだしでもよいのですが、いただくときに
削りかつおを散らすのがお勧めです。

一、味噌を入れたら、ぐらぐら煮ない

味噌を入れると、弱火で静かに熱し、ぐらぐら煮立てないように。
ふつふつして、全体が熱くなったら、火を止めて器に盛ります。
ぐらぐら煮立てたり、煮続けたりすると、香りや風味がとんだり、
濃度がついてもったりとしてしまいます。

一、餅以外の具は、あまり主張のない味のものを

京都では、お餅のほかは、頭芋(里芋)、大根と人参
くらいでしょうか。我が家では、頭芋だけです。
お好みですが、個性の強い味は控えたほうがよいかと…

一、仕上げに、ほんの少し塩を…

ほんの少し、塩を入れることで味がしまります。これはお好みで。

・・・
白味噌のお雑煮が美味しくできない という方、
上記の点を留意して 是非一度おためしください。

…ただ、白味噌があまり好きでない、という方もいらっしゃいます。
そんな方にも、また、白味噌好きの方にも人気の
変わり白味噌雑煮がこちらです。

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頭芋とお餅をごま油で焼いたものに
白味噌のおつゆ(お雑煮と同じもの)を合わせました。

ごま油で(フライパンで)焼いたお餅は、香ばしくて、
そのまま塩をかけただけでも、かなり美味しいのですが、
白味噌雑煮に入れると、上品なコクのある美味しさ。

余ったお餅で作ったら、大好評でした。

◆ ごま香る 変わり白味噌雑煮
 【材料】(2人分)
   お餅 2個、 頭芋 1/6~1/4個分(または里芋や海老芋 4個)
    ごま油 適宜、 昆布だし 2カップ、 白味噌 100~140g
    塩 少々、 青味(ゆで絹さや、または貝割大根など)
      
 【作り方】
   1.頭芋(または里芋など)は、7~8mm厚さに切り、食べやすく
      いちょう切りにする。
    2.フライパンにごま油を熱し、1の芋と餅を入れて塩をふりかけ
      弱めの火で ふたをして、じっくりこんがり焼く。
    3.鍋に昆布だしを入れて火にかけ、沸騰する前に、昆布を取り出し、
      白味噌を入れて溶かし、好みの味にする。
    4.2の香ばしく焼いた餅と芋を入れてさっと煮て、器に盛り、
      青味をちらす。

※ 頭芋は、こんなに大きいです。

kashiraimo

ちなみに、頭芋は品種ではなく、里芋の親芋のこと、
小芋に対する親芋です。
頭芋をお雑煮に入れる風習は、人の上に立つ「頭(かしら)」になる
願いを込めて。
ふつうの里芋ほど粘りがなく、ほくほくっとした食感です。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油