ごま松風~おせち料理に

師走に入ったかと思えば、あっというまに暮れも押し詰まり、
何かと心ぜわしい時節になってきました。

巷では、いろいろな場面で お正月の準備に・・・というような声が
だんだんと大きくなってきています。

年末年始は・・・クリスマス、年末の大掃除、年賀状、
仕事納め、お節料理…あれもやらねば、これもやらねば…と
何もできていないのに、気もそぞろの私です。

さて、年末が近づくと、新聞や雑誌で、デパートやスーパーの広告で
ネットで…おせち料理の予約を、数多目にします。
あっと驚くような高価で立派なお重から、手頃な価格のお重、
黒豆やお煮しめなど一品ずつのパック…
多種多様に販売されています。

お節離れが進んでいる、という話も聞きますが、
日本の食文化の伝統「お節」は受け継いで行きたいものです。
市販のものを上手に利用しながら、家庭に代々伝わってきた味を残し、
また、もともとあるお節をアレンジしたり…
楽しみながら、お節を作ったり味わったりできればいいですね。

今回は、お正月用の献立「松風(焼き)」を紹介いたします。
「松風」は、お節料理の定番、というわけではないのですが、
比較的簡単に出来て、冷めても美味しく、酒の肴にもなり、
子供にも人気の一品です。

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風流な名前は、能の「松風」という話に由来しているそうです。
京都には、「松風」という和風カステラのような和菓子もあり、
いくつかの和菓子屋さんで作られています。
お菓子の方の「松風」も似たような外観で、上にけしの実やごまが
散らしてあります。

日持ちのする和風ミートローフのような松風、
白と黒の炒りごま、それから彩りよく、青海苔をのせて
香ばしく焼き上げました。
高野豆腐が混ぜ込んであるので、とっても ヘルシーです。

◆ ごま松風
【材料】(4~5人分)
   鶏(豚)ひき肉 200g、 塩・こしょう 各少々、おろし生姜 少々
   高野豆腐 2枚(33g)、卵 小1個
   A【白練りごま・うす口醤油・みりん・酒・砂糖 大さじ1/2、
     白味噌 大さじ1】
   くるみ(炒ったもの)30g
   B【うす口醤油・酒・みりん 各小さじ2】
    白炒りごま・黒炒りごま 各適宜、 青海苔 適宜、  
【作り方】
  1.高野豆腐は、もどして水分をしぼり、おろし金ですりおろす。
    2.ひき肉に塩・こしょう、おろし生姜を加えて練り混ぜ、1も加えて
      よく混ぜる。
    3.溶き卵を加えて混ぜ、Aを加えてさらに混ぜ、最後にくるみを
      加えてオーブンペーパーの上に厚さ2cmくらいに四角くのせて
      210℃に熱したオーブンで10分焼く。
    4.Bを小鍋で弱火にかけて少し煮詰める。(または電子レンジで加熱して
      煮詰める。10秒ずつ様子を見ながら)
    5.3を一旦取り出し、4を刷毛でぬって、上に、白ごま、黒ごま、青海苔
      をのせて上から軽く押し、190℃に下げて10分ほど焼く。
    6.冷めると切り分ける。

※ 生地をつくるとき、材料をポリ袋に入れて外側からもみ込むようによく混ぜて
  も OKです。
 ※ フードプロセッサーがあれば、生地の材料を全部入れて混ぜてペースト状
  にすると 滑らかな生地になります。
 ※ ケーキ型、耐熱皿など、オーブンに入れられる型があれば、そこに生地を
   入れて焼くと、きれいな形に焼き上がります。 型にはごま油をうすく塗って
   おくと、出しやすいです。

【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
練りごま(白)

  

 
いり白
炒りごま(白)


いり黒
炒りごま(黒)

こんにゃくの二色田楽~針供養の日に

はや12月です!
師走の京都…といえば、何が浮かびますか?

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こちらは、吉例顔見世興行の「まねき」
京の師走の風物詩の一つです。
「まねき」は、役者の名前を勘亭流で書いた白木。
長さ1.8mのまねきは、南座の正面にずらりと並べられます。

この威風あふれる建物、桃山風破風造の南座は、
江戸時代からつづく、日本最古の劇場。
南があるということは北も… かつては北座もあったそうです。

ちなみに、南座は現在、耐震工事のために休館中なので、
今年の顔見世興行は、初めて先斗町歌舞練場で開催されるそうです。
お間違えのないように。

さて、師走の行事は、いろいろあるのですが、
きょう12月8日は、針供養です。
(西日本は12月8日、東日本は2月8日に行われることが
多いようです)
針供養は、針の労をねぎらって感謝し、そして
お裁縫の上達を祈願する日です。

針仕事は、一昔前まで、とても大切な仕事であり、
また、日常的に欠かせない家庭の仕事でもありました。
この日には、針仕事を休み、針をこんにゃくや豆腐など
やわらかいものに刺して供養し、神社に納めたり、
川に流したりする、重要な行事だったのです。

京都では、十三詣りで知られる嵐山の法輪寺が
針供養のお寺として有名です。 
境内に用意された大きなこんにゃくに、色の糸をつけた針を刺して
…最後はやわらかなものを刺すことで、針をいたわり、供養します。

最近では、洋裁、和裁、あるいは刺繍などを仕事や趣味にする人以外、
だんだんと「針」は使われなくなっている、と聞きます。
私自身、洋服のボタンがとれたり、ちょっとした繕い物を
するときにだけしか針を出すことがありません。

とはいえ、長年使い続けた道具には、精霊が宿るといわれるので、
古くなったり、使えなくなったものに対して、
今まで活躍してくれたことに感謝してきちんと供養する
という風習、大切にしたいものですね。

さて、
今日は、針供養にちなんだ、こんにゃくの献立、
こんにゃくで作る田楽をご紹介いたします。
今回は、白味噌と白ごま仕立ての田楽味噌、
赤味噌と黒ごま仕立てのものと二種作りましたが、
どちらか一つでも…是非お試しください。

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◆ こんにゃくの二色田楽
【材料】(2~3人分)
   板こんにゃく 1枚、 塩 少々、 ごま油 少々、 
   白味噌・赤味噌 各大さじ1.5
   酒・みりん 各小さじ1~2
   白練りごま・黒練りごま 各小さじ2~3
   白すりごま・黒すりごま 各適宜

   
【作り方】1.板こんにゃくは、表面に格子状に切れ目を入れて、
        約3cm角に切り、軽く塩でもんで熱湯でゆでる。
     2.2~3分ゆでてから湯を流して、そのまま乾煎りする。
        水分がとぶと、ごま油少々を加えて一炒めする。
      3.白味噌に酒を加えて電子レンジで20秒くらい加熱して
        溶きのばしクリーム状にして、白練りごまを加え混ぜる。
        赤味噌とみりん、黒練りごまも同様に混ぜる。 
      4.2のこんにゃくに3のニ種の田楽味噌を塗り、上に
        すりごまを散らす。
        そのままでも、グリルやオーブントースターで軽く焼き目を
        つけても美味しいです。

※ こんにゃくは、下ゆでして、サッと炒めることで、特有の臭みが消え、
  風味がよくなります。
※ こんにゃくは、今回は一口サイズに切りましたが、お好みの大きさで
  作ってみてください。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 


ねり白150
練りごま(白)


ねり黒150練りごま(黒)


すり白
すりごま(白)


すり黒
すりごま(黒)

胡麻ごまフムス

最近、フムスという料理を、よく耳にします。
「フムス」…ご存じでしょうか。

いつの頃からかちょっと話題になっている
中東の伝統の豆料理で、いわば
「ひよこ豆のディップ」です。

何が話題なのかというと、まず、
原材料のひよこ豆が とても健康的な食材なのです。

ひよこ豆には、食物繊維はじめ鉄分やカルシウム・ビタミン類
等など健康や美容にいい成分がたっぷり。
生活習慣病や骨粗鬆症や貧血の予防、
疲労回復や精神安定や美肌に効果的、
それから便秘やむくみの解消 等などいいことづくめです。

ひよこ豆は、ガルバンゾーとも呼ばれ(スペイン語だそう)、
地中海一体では紀元前4000年ころには栽培されていたという
歴史あるお豆さん。
古代エジプト、古代ローマでは一般的に食べられていたそうです。

日本では長らく馴染みのない豆でしたが、
十数年前からよく目にするようになり、
乾燥豆、あるいは加熱して缶詰や紙パックで販売されています。
ほくっとした食感とくせのない風味は日本人にも好まれます。

そして、フムスの作り方ですが、
ひよこ豆にねりごま、オイルと香辛料をフードプロセッサーで
混ぜるだけ、というシンプルで簡単なものです。

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フードプロセッサーがなければミキサー、あるいはすり鉢、
それもなければ、多少滑らかさには欠けますが、
つぶして泡たて器などで混ぜるだけでもできます。

本来は、オリーブオイルを使うようですが、
くっきんぐせさみおいるで作り、
トーストしたフランスパンに塗っていただきました。

食べ方は、ほかに、
レタスやトマトなど野菜と一緒にはさんでサンドイッチに、
あるいは、セロリや人参な棒状に切った野菜を浸けて食したり…

また、豆乳で溶きのばして温めると、
やさしい味のスープになります。

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今年は11月17日にボジョレーヌーボーが解禁になりましたが、
ちょっとお洒落でヘルシーなフムスは、ワインにも合いそうです。

是非作ってみてください。

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◆ 胡麻ごまフムス
【材料】 ひよこ豆(ゆでたもの、水煮缶でもOK) 100g
   豆のゆで汁(または豆乳、あるいはだし、水)大さじ2~3
    にんにく 小1片、 白練りごま 大さじ2
    レモン汁 小さじ1~2、 塩 小さじ1/3、 こしょう 少々
   クミン(またはカレー粉)少々、  くっきんぐせさみおいる 大さじ1、
   チリパウダー 少々、黒すりごま 少々、
   いろどり(青じそ、パセリ等青み や、ピンクペッパー)お好みで少々

【作り方】 1.ひよこ豆とゆで汁をフードプロセッサーでペースト状にする。
    2.1に、にんにくのすりおろし、練りごま、レモン汁、塩と香辛料、おいる
      を加えてなめらかにする。好みで、クミン(カレー粉でも)を加える。
    3.味をととのえて、器に盛り、チリパウダーや黒すりごま、
      青みを飾る。
    4.フランスパン(バゲット)などをトーストして添える。
     (ほか、ビタパンやイングリッシュマフィンなどお好みのパンで…)

    ※ ひよこ豆のかたさによって、水分は加減してください。

▼ ひよこ豆は、乾燥をゆでるのがおすすめです。
 洗って、一晩(半日)水に浸けておき、たっぷりの水でゆで、
 沸騰してから30分ほど弱火で煮て、煮汁のまま冷まします。
 市販の缶詰とは、一味違うおいしさです。
 冷凍保存もできます。

【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
練りごま(白)


cooking sesami oil

くっきんぐせさみおいる


すり黒
すりごま(黒)

大根のごま味噌煮~和食の日に

きょう11月24日は、いい日本食
             (1・1・2・4) で、
「和食」の日です。

3年前、2013年に、ユネスコ無形文化遺産に
和食(日本人の伝統的な食文化)が登録されて以来、
和食が注目を集めています。

海外でも、和食人気は高まっているようですが、
その一方、日本の家庭で、和食を作って味わう機会が増えている…
というわけではなさそうです。

和食、だしのうま味を含めた 伝統的な日本の食文化を見直し、
子供の世代に受け継いでいくことの大切さを考える
機会が増えれば…と思います。

味覚の基本は、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の五つです。
和食の味わいの中で、料理の味の決め手となるのは「だし」
うま味です。

だしのうま味は、日本が世界に誇る味覚。
ちなみに、英語では「うま味」に相当する表現がなく、
日本語の「umami」を代用している、と聞きます。

昆布、鰹節、干ししいたけなどを使っただしは、
美味しさは、もちろんのこと、うまみのおかげで
塩分を控えることができ、健康にも結びついています。

脳がうま味を感じると、消化吸収を促す指令を胃腸に出すので
食べ過ぎ防止にもなるそう。

また、うま味の成分は、脳神経を刺激するとも言われており、
うま味が舌から伝わると、脳は活性化して、
記憶力が向上したり、認知用の予防なども期待できるそうです。

私自身は、だしのにおいが台所にたちこめると、
ほっとして、気持ちがやすらぎますが、
実際に、情緒が安定する働きも認められているそうです。

・・・いいことづくめのだしのうま味!!
「和食の日」にちなんで
今日は食卓にだしの「うまみ」のひと皿を加えてみました。

旬を迎えて、美味しくなる大根の煮物、
短時間で手軽にできるごま味噌煮を作ってみました。

だしのうまみと、ごまの香ばしさで味が決まります。
ぜひお試し下さい。

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◆ 大根と油揚げのごま味噌煮
【材料】(3~4人分)
   大根 1/2本(500~600g)、 油揚げ 1枚
   ごま油 小さじ1~2、 酒・みりん 各大さじ1
   塩・うす口醤油 各少々、
   だし 1カップ強、 白練りごま 大さじ1.5
   味噌 大さじ1~2、 白すりごま 大さじ2~3

【作り方】 1.大根は縦4つに切ってから乱切りにする。
      油揚げは食べやすく切る(今回は 3cm角の正方形)
    2.鍋にごま油を熱し大根を入れ塩少々を振り入れて
      ひと炒めする。
    3.酒、みりんを入れ煮立つと、だしを大根がひたひたになる
     くらい入れ、うす口醤油、油揚げも入れて10分ほど煮る。
    4.味噌、練りごまを加え混ぜて、煮汁が少なくなるまで5分ほど
      煮る。味をととのえて、火を止めてすりごまを加え混ぜる。
    5.器に盛り、青みを散らす。(大根葉のゆでてきざんだもの、
     あるいは、刻みねぎや刻み三つ葉など)

    ※ 味噌は、白味噌とふつうの味噌を混ぜて使いましたが、
      お好みの味噌で作ってみてください。
      お味噌によって味がいろいろなので、みりんや醤油の量を
      加減してください。
    ※ 今回は、油揚を入れましたが、大根だけでも美味しいです。
      お好みで、豚肉など加えるとボリュームアップします。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 


ねり白150
白練りごま


すり白
すりごま(白)

香ばし胡麻あめ

11月15日・・・七五三。
七歳、五歳、三歳の子どもの成長をお祝いする日本の年中行事です。
この日に、神社や氏神さんに参拝し、子供が無事成長したことを感謝し、
将来の長寿と幸福を祈願します。

今では、11月15日に近い秋の休日にお祝いすることが多いよう…。
そういえば、11月に入ってから、土日に、晴れ着を着た子ども連れの
ご家族をよく見かけます。

七五三は、もともと宮中や公家の行事だったのが、
江戸時代頃から一般的に行われるようになったそうです。

七、五、三はいずれも日本で縁起のいい数字。
三歳は、髪置き(かみおき)の儀(男女とも)
五歳は、袴着(はかまぎ)の儀(男の子のみ)
七歳は、帯解き(おびとき)の儀(女の子のみ)
それぞれ儀式が由来となっており、もともとは数え年で行われていましたが、
近年では、満年齢で行うことも多いようです。

そして、七五三といえば「千歳飴」(ちとせあめ)
千歳飴の発祥は、江戸時代の浅草・浅草寺と言われています。

「千歳」は、長寿やおめでたさを連想させ、また
甘い物が今よりずっと貴重だった江戸時代には
飴は、子供には何よりも嬉しい贈りものだったようです。

粘りがつよく、細く長い形をしているのは、
子どもが無事に育って長生きしてほしい、という願いが
こめられているのでしょう。
さらに縁起がいいよう、飴を紅白で彩り、
松竹梅や鶴亀など縁起のよいものを描いた袋に入れて…
江戸時代は、小さい子供の生存率が今ほど高くはなかったのです。

千歳飴の歴史をひもとき、
飴にこめられた思いに感じ入り、
あめを手作りしてみました。

千歳飴を作る過程では、職人さんが手袋をして、温かいうちに
あめを引っ張っては折りたたむ作業をくり返し…という手間な作業があります
が、家庭で少量を簡単に作れるように簡略化。
たっぷりのごまを入れて香ばしい胡麻あめにしてみました。

ごまが香ばしい素朴な風味のあめ、
一度、お試し下さい。

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◆ 香ばし胡麻あめ

【材料】 砂糖 25g、 水 10cc(小さじ2)、 水あめ 70g
    白炒りごま 大さじ5~8、 好みでシナモン少々

【作り方】 
  1.小鍋に砂糖と水をいれて沸騰させる。泡立ちが 少しおさまって
   落ち着き、粘度がでてくると、水あめを加え混ぜる。
  2.混ぜながら弱火で火を通し、炒りごまを入れてひと混ぜして、
   (お好みで、ここでシナモンも入れて混ぜる)
   オーブンペーパーの上に流す。
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  3.手でさわれるくらい冷めると(すぐ冷めます)、ポリ袋の中で
   ねじるようにのばす。
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  4.食べやすいよう、包丁で切っていただきます。
   (千歳飴は、長い飴を切り分け「家族で長寿や福を分け合う」
   …そうです)
  
  ※ 砂糖や水あめは、お好みのものを使ってください。
    ここでは、粗糖、米あめなどうす茶色の素材を使ったので
    茶色い飴になりました。
  ※ お好みで、黒ごまを混ぜたり、あるいは黒ごまだけで
    作っても…。
  ※ じっくり火を通すほど、だんだんと水分がとんで、
    かたいあめになります。

  
【今回使用したのはコチラ】

いり黒
炒りごま(白)

おばんざい風グラタン~木枯らし吹く夜に

昨日11月7日は、二十四節気の立冬。
立冬は、毎年11月7日か8日かどちらかに当たります。

立冬とは…冬の始まり、暦の上ではこの日から冬!です。
とはいえ、京都の日中はまだ秋らしい気配が漂い、
紅葉の見頃さえもうしばらく先なのですが。。。

立冬の「立」には新しい季節になるという意味があり、
立春、立夏、立秋とともに、季節の大きな節目です。 

ただ、二十四節気の中では、夏至や冬至ほど有名ではなく、
立冬が過ぎたことも気がつかないまま…ということもありがちですが、
ちょっと改まった手紙を書くとき、書き出しに
季節の挨拶として「立冬の候」と使うことができます。

さておき、
ここ数日、日が暮れるのが急に早く感じられ、
日中の陽射しも弱くなってきて、
そのせいで気温が下がるのも早くなるからか、
夕暮れどきからひえびえと寒さを感じるようになってきました。
北海道からは雪の便りも届いています。

ちょっと寒くなってきた夜は
暖かい献立がほしくなります。
木枯らし吹く夜、グラタンはいかがでしょう。
(木枯らし…とは、立冬のころに吹く木の葉を吹き散らすような冷たい北風)

今回 ご紹介するグラタンは、
ホワイトソースではなく、手軽な豆腐クリーム。
豆腐クリームは、お豆腐をなめらかによく混ぜただけのもの。
ヘルシーで低カロリー、グラタンのソースとして使うと
とてもライトな食べ心地です。

お豆腐だけでは、味がうすく、またお豆腐特有のにおいもあるので、
調味料も加えます。

味を付ける、塩、うす口醤油 少々、
コクを出す、白練りごま、
濃度を調節する豆乳(または牛乳や水…だしを使うとさらに美味しいです)。

あとは、お好みで、こしょうやカレー粉ほか香辛料を加えると、
スパイシーになったり、エスニックになったり…
今回は、ちょっと和風感覚で、白味噌を加えてみました。

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お豆腐は、木綿でも絹ごしでもどちらでもいいですが、
泡立て器で(手で)混ぜるだけなら、絹ごしの方がなめらかに仕上がります。

具は、おばんざいを意識して、れんこんなど根菜の煮物や、
かぼちゃの煮物など、残り物をリメイクしたものです。

残り物がなければ、根菜を食べやすい大きさに切って、さっと電子レンジ加熱
したり、炒めたりして、少しやわらかくしてください。
タラや鮭などの切り身魚、鶏肉やベーコンを入れると、ボリュームアップします。

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◆ おばんざい風グラタン~豆腐ごまクリームで~
【材料】(約4人分)
   豆腐 200g(1/2丁)、 白練りごま 大さじ1、
    塩・うす口醤油 各少々、 (あれば)白みそ 大さじ1、 
    れんこん、ごぼう、にんじんの煮物・かぼちゃの煮物 各適宜
    溶けるチーズ(ピザチーズ、パルメザンチーズなど) 50~80g

【作り方】 
  1.ボールに白練りごまを入れて、泡立て器でまぜ、豆腐を少しずつ
    加えながら、混ぜていく。
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※ 豆腐を混ぜてから、練りごまを加えると、混ざりにくい。
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  なめらかに混ざると、塩、醤油、白みそを加えて味を調える。
  
   2.耐熱皿にうすくくっきんぐせさみおいるを塗り、煮物を入れて、
上から1を全体にかけかるく混ぜ、上にチーズを散らして
    オーブントースターやグリルで、こんがり焦げ目がつくまで
    焼き上げる。
  
  ※ 具は、ほかに、ゆでたじゃが芋、ブロッコリーやほうれんそうなど、
    野菜だけのときは、さっと炒めて使うと、味に深みが出ます。   
   
  ※ 粉チーズと一緒に、ゴマプードルをかけても…

【今回使用したのはコチラ】

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くっきんぐせさみおいる


ねり白150
練りごま(白)

ゴマプードル

かぼちゃ胡麻クッキー~ポリ袋1つで!

10月31日、
きょうは、ハロウィンです。

いつのころからか、ハロウィンは年々ポピュラーな行事に
なってきているようです。
朝のニュースでは、いろいろな衣装に身を包み仮装して
ハロウィンを楽しむ若者(だけではないのでしょうが…)
が紹介されていました。

そう、ハロウィンというと、仮装!
なぜ、ハロウィンに仮装、かというと…

ハロウィンは、もともと秋の収獲を祝う日で、 また、
死者の霊がやって来る日であり、その上、
1年の終わりの日でもあるそうです。

言うなれば、秋祭りとお盆と大晦日が
一度にやってくるようなものです!?!

そして、死者の霊と一緒に、魔女や魔物がやってくるので、
人間であることに気づかれないように、魔物の格好に変装して
魔物に仲間だと思わせる…ということからきているようです。

そういうわけで、ハロウィンの仮装は、不気味な、
薄気味悪いものが多いのです。

そして、もう一つ、ハロウィンといえばかぼちゃ。
かぼちゃを顔のようにくりぬいてランタンにした灯りは、
悪霊を遠ざける効果があるそうです。

もともと宗教色の濃い行事なのですが、
今では、すっかり薄まって、お祭りのようになっています。

さて、朝のニュースで今日がハロウィンであることに気づいて、
何かハロウィンらしいものを…と、急遽クッキーを作ってみました。

泡立て器もボウルもいらない、
ポリ袋1つで作っていく、簡単手軽なクッキーです。
クッキーというと、型で抜いたり意外に手間がかかるものも
あるのですが、ポリ袋の中で材料をまぜ、ポリ袋のまま冷やして、
そのままザクザク切って焼くので、手ばやくできます。

材料は、
かぼちゃ、ごま油(くっきんぐせさみいる)、砂糖、薄力粉、ごま

…かぼちゃの甘さと風味がいい、シンプルな美味しさのクッキーです。
かぼちゃの皮を三角に切って、付けて焼くと
ジャックランタンになって、楽しいですよ。

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栄養たっぷりのかぼちゃ、油と一緒に食べると、
β-カロチンの吸収もよくなります。
是非つくってみてください。

◆ かぼちゃ胡麻クッキー
【材料】(約20個)
   くっきんぐせさみおいる 25g(約大さじ2)g、 砂糖 約25g、 
    かぼちゃ 50g(正味)、 薄力粉75g、
    炒りごま(黒・白) 各適宜、 かぼちゃの皮 少々

【作り方】 
  1.かぼちゃは電子レンジでやわらかくなるまで加熱し、つぶし、
     粗熱をとる。
  2.ポリ袋に1を入れ、砂糖を全体に振り入れて手で袋の外側
    から混ぜる。
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  3.くっきんぐせさみおいるを少しずつ加えて混ぜ、粉をふるい
     入れて、粉っぽさがなくなるまで、練らないようによく混ぜる。
   4.そのままポリ袋の中で厚さ1cmくらいにひらたくのばして
     冷蔵庫で30分ほど休ませる。(急ぐときは、冷凍15分くらい)
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   5.2cm強の正方形に切り、上に炒りごまをのせて、オーブン 
     (170℃)で約20分焼く。

   ※ ジャックランタンの顔を作るときは、四角く切ったものを
     角をまるくして、ナイフで縦に線を入れて、三角に切った
     かぼちゃの皮をのせてから焼く。

   ※ かぼちゃの水分量や甘さによって、砂糖の量は加減
     してください。

   ※ 砂糖は、粗糖、きび糖、三温糖など、お好みのもので。

   ※ 薄力粉は、全粒粉や米粉など、お好みに合わせて…。

   ※ お好みでシナモンやバニラを加えても…♪

【今回使用したのはコチラ】

cooking sesami oil

くっきんぐせさみおいる

 
いり白
炒りごま(白)


いり黒
炒りごま(黒)

  

かき(牡蠣)のセサミ・オイル漬け

10月も下旬。
だんだんと気温が下がり、朝夕は冷えるようになってきました。
寒くなると、美味しくなる食材の一つに
かき…海の牡蠣があります。

岩牡蠣など、夏に食べられる種類もありますが、
一般的に食べられている真牡蠣は、冬が旬です。

英語圏では、”R”の付かない月には牡蠣を食べてはいけない!
と言われています。

“R”の付かない月、すなわち、
May、June、July、August
5月、 6月、 7月、 8月…
…夏場の牡蠣は、産卵期で身が痩せて美味しくなく、
また、菌が繁殖しやすいので食中毒の危険が増えます。

寒くなるこれからの時季、牡蠣は栄養を蓄え、味がよくなっていきます。
味…というと、
牡蠣の生食用と、加熱用、
どちらが味がよいか、ご存じでしょうか。

生食用の牡蠣は、生でも食べられるくらいだから新鮮、
ということではありません。
生食用は、生で食べられるように、滅菌処理するために、
2~3日、牡蠣を断食させるそうです。
その影響で、身がやせたり、水っぽくなったりすることもあるとか。

一方、加熱用の牡蠣は、毎日たっぷりの海水を吸収し、
プランクトンなどを取り入れるので、栄養豊富で味がよいのです。

ですから、加熱調理するときは、なるべく加熱用の牡蠣を
使ってください。

それから、
牡蠣は、別名「海のミルク」と言われる栄養豊富な食材、
日本では、かつて「海の玄米」とも言われていたそう。

(実際、ミルクよりも玄米よりも、さらに栄養がある、と思うのですが…)

味覚障害を予防する亜鉛、貧血を防ぐ鉄分等いろいろなミネラル、
肝機能を高め、疲労回復ほか、いろんな効果をもつタウリンなど、
多くの栄養素を含む、万能の滋養強壮食材です。

ただ、あの独特の風味がちょっと苦手…という方もいるようです。
きょうは、苦手な方にもお薦めのオイル漬けをご紹介します。

加熱してオイルに漬けるだけ、という簡単な作り方で、
牡蠣特有のクセが緩和されて、むしろ癖になる味!です。
オリーブオイルで漬けることが多いようですが、
ごま油で漬けても、美味。

そのまま食べるのはもちろん、
手を加えてパスタなどにしても美味しいです。
(パスタのときは、漬けた油も一緒に和える)

フランスパンの上に、あり合わせの野菜と一緒にのせれば、
あっというまに、おしゃれで美味しいおつまみ(軽食)が
できます。

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・そのまま、あるいは、あらく刻んで、
 レタスやトマトなどの野菜、クリームチーズと、
 フランスパンの上にのせるだけ…

牡蠣の美味しさが凝縮されたオイル漬け、
是非おためしください。
(漬けた油は、炒め物などに使うと美味しいです)

◆ 牡蠣のセサミ・オイル漬け
【材料】
   牡蠣 2パック(約300g)、 
   オイスターソース (または醤油) 大さじ1
   にんにく 1かけ、 赤唐辛子 1本
   ごま油 適宜
【作り方】
   1.牡蠣は塩水でやさしく洗い、ざるにあげておく。
   2.フライパンに牡蠣を入れて中火で水分をとばす。
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   (最初は、牡蠣から水分が出てふつふつする。
    フライパンを軽くゆすりながら加熱する)
   3.水分がほとんどなくなると、オイスターソース(醤油)を回し入れて
     ゆすりながら、全体にゆきわたらせる。
   4.ほとんど水分がなくなると火を止めて、粗熱をとる。
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5.瓶や容器に、4の牡蠣と薄切りにんにく、赤唐辛子(種をとる)
      を入れて、ひたひたになるまでごま油をそそぐ。

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 ※ 冷蔵庫で、1週間 日持ちします。
   煮沸した瓶に入れ、ちゃんとオイルに浸かった状態で
   きっちり保存すると、冷蔵庫で3~4週間日持ちします。
   (…が、あっというまになくまります)

 ※ ごま油は、牡蠣の持ち味を生かしたいときは
   くっきんぐせさみおいるを、
  ごま油の風味を出したいときは、白ごま油を、
  お好みで、両方をまぜても美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 


cooking sesami oil

くっきんぐせさみおいる

だし巻き卵サンド

この前のブログで、ごま風味の「わんぱくサンド」…
…具がたっぷりでカラフルなサンドイッチをご紹介しました。

今度は、
いつも見てくださっている方から、だし巻きのサンドイッチを
教えてほしい、というリクエストをいただきました。

だし巻きは、ご飯だけでなく、パンにもよく合います。
京都には、かつて、厚焼きの卵焼きサンドを供する有名店があり、
今も、そのお店の味を受け継ぐお店、また、同じようなボリュームある
卵焼きをサンドイッチしたお店があるのですが、
行列ができるほど人気だそうです。

おうちでも、ちょっとコツをおさえると、
お店のようなだし巻き卵のサンドイッチが作れます。
また、自家製ならでは…だしのきいた薄味、あるいは
甘めに…と、お好みの味のだし巻きが出来ます。

たっぷりのだしを加えると、美味しい食感なのですが、
だんだんと汁気が出ることがあります。
が、作るときに水溶き片栗粉を加えると大丈夫。
さらに、巻きやすく、食感もしっとりします。

それから、パンにマヨネーズと辛子を塗った後、
(お好みで、辛子だけでも…)
ゴマプードルをふりかけると、
余分な水分を吸ってくれて、風味もよくなります。
すりごまよりもずっと細かいので、口当たりもやわらかで、
ごまの香りも控えめです。

そして、お弁当用など、時間をおいて食べるときは
是非ぜひ、ごま油で卵を焼いてください。

ほかのどの油で焼くより、時間がたっても味が変わらない…!
お弁当持ちで出かけて数時間後に食べて、
ほぼほぼ出来たての味が変わらないものは、
ごま油で焼いた卵焼きだそうです!

ごま油で焼いただし巻きで、だし巻きサンド
是非、作ってみてくださいね。

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◆だし巻き卵サンド
【材料】
   卵 2個(L)、 ごま油 約大さじ1、 だし 大さじ4、 片栗粉 小さじ1、
   A【酒・みりん 各小さじ1、塩 1つまみ、 うす口醤油 小さじ1/2】
    食パン(または、フランスパンなど) 適宜
    マヨネーズ・(和)辛子 適宜、ゴマプードル 少々

【作り方】
   1.卵をほぐし、Aの調味料を加えて混ぜ合わせる。
   2.片栗粉をだしでとき、1に加え混ぜ、ごま油で卵焼きを作る。
     (卵焼き器を強めの中火で熱し、ごま油を入れてなじませ、1の卵液を
     入れてかるく混ぜ、半熟状になると手前にお箸で巻いていく。
     卵を奥に滑らせ、ごま油をひき、卵液を流し入れ、奥の卵の下にも
     卵液を流し入れて、同様に巻いていく)
    3.パンは軽くトーストする。マヨネーズに辛子を混ぜパンの内側の面に塗り、
      2の卵焼きをはさむ。しばらく押さえてなじませてから切る。

【ポイント】
 * 出来上がった だし巻きとパンの大きさを比べ、
   パンの方が大きいときは、パンを切って、だし巻きの大きさをそろえ、
   だし巻きの方が大きいときは(フランスパンなど)、だし巻きを切ってから
   パンにはさむと、作りやすいです。
 * 卵を溶いて、ザルなどで裏ごすと、白身が目立たず、全体が黄色く均一に
   焼けただし巻きが出来ます。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 
         

                             

ゴマプードル

わんぱくサンド~ごま仕立て

天高く馬肥ゆる秋。
空気が澄んで、空が高く青く感じられる季節と
なりました。

気温も湿度も低下して、心地よい大気に包まれる時季、
明後日10月10日は体育の日なので、この3連休近辺は、
学校や地域で運動会が催されるところも多いでしょうし、
ハイキングなど行楽に出かける方もいらっしゃることでしょう。

運動会やハイキングといえば、お弁当。
青空の下で食べるお弁当は、普段の室内で食べるお弁当よりも
美味しいですよね♪

外の空気が爽やかだから、また、
非日常だからでしょうか。

きょうは、行楽のお弁当にぴったりの、
「わんぱくサンド」をご紹介いたします。

「わんぱくサンド」は、いつのころからか
そのインパクトある外観で人気を集めています。
インスタ(Instagram)などSNSで写真を見る機会が多い方には
おなじみかと思いますが、平たく言えば
ワンパイサンド=とびっきり具沢山のサンドイッチ、
そしてカラフル♪

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この「わんぱくサンド」は、
紫玉ねぎ、にんじんのラぺ、ゆで卵マヨ、きゅうりとアボカド、レタス…!

色鮮やかにするには、いろんな野菜を入れることになるので
とってもヘルシーです。

はさみ方は自由ですが、
色を紫→赤→オレンジ→黄→黄緑→緑
(抜ける色があってもOK)
と同系の色と隣にもってくると、きれいに出来上がります。

あと、はさんでから、ラップで全体を包み込んで固定し、
ラップごと包丁で切ると、具がはずれることなく、美しく切れます。

ぶあつくて、ちょっと食べにくいかもしれませんが、
外でいただくので、豪快に頬張っていただきましょう。

さて、
決まっているわけではないのですが、
サンドイッチといえば、辛子バターを塗ることが多いです。
風味をつけて美味しくするため、それから、
パンが具材の水分を吸って、食感が悪くなるのを防ぐためです。

もちろん、バターの風味も美味しいですが、
ごまの風味も新鮮でおすすめ…きょうはごま油+粒マスタード!
ごま油は扱いやすく、ぬりやすいです。
胡麻の風味も生かしたいときは普通のごま油を、
素材の持ち味を生かしたいときは、クッキングセサミオイルを、
と私は使い分けています。

ちょっとした工夫で、食べやすく、崩れにくく、また扱いやすくなるので
是非、作ってみてください~

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◆わんぱくサンド
【材料】 (2人分)
   食パン(6枚切り)4枚、 紫玉ねぎ 1/2個
    にんじん1本、 卵3個、 きゅうり1本
    アボカド1/2個、きゅうり1本、 (プリーツ)レタス 適宜
    ごま油 またはくっきんぐおいる 適宜、粒マスガード適宜   
   
【作り方】1.紫玉ねぎは薄い輪切りにする。
      2.にんじんはラぺにする(細切りにして、塩を振ってしんなりすると
        水気を絞って、砂糖、胡椒、酢、油、を混ぜておく。
      3.たまごは、半熟にゆでてつぶし、マヨネーズ、塩、こしょうと
        混ぜておく。
      4.きゅうりとアボカドは薄切りに、レタスはちぎっておく。
      5.パンはトーストして、粒マスタードをごま油でのばしたものを
        片面(はさむ側)に塗っておく。
      6.パンの上に、1→2→3→4 と順番に具をのせていく。
      7.上にパンをのせて、軽く押さえ、ラップで包む。
      8.ラップで包んだまま切る。

    ※ 具はほかに、
       紫色(紫キャベツ)
       桃色(ハム)
       赤色(赤ピーマン、カニかま、トマト)
       橙色(オレンジピーマン、スモークサーモン)
       茶色(ツナ、トンカツなどフライもの)
       黄色(コーン、チーズ)
       黄緑~緑(サラダ菜、オクラ、アスパラガス、三度豆)
       等など・・・

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【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 
                                      


cooking sesami oil

くっきんぐせさみおいる