明日は六月の晦日。
はやいもので、今年も約半分が過ぎようとしています。
一年の折り返しにあたる6月30日は、
新年から半年分の穢れをはらい、無事に過ごせたことを感謝し、
そして残り半年の無病息災を祈願する「夏越の祓」(なごしのはらい)。
あちらこちら多くの神社では、鳥居や境内に
茅(ちがや)で作られた輪がしつらえてあり、
この茅の輪をくぐることで、夏の病気や災厄から免れる、という
茅の輪くぐりが行われます。
茅の輪は、その大きさ、色、太さ等、神社によって様々です。
京都駅近くの文子天満宮…北野天満宮の前身神社と言われるのは、
菅原道真の乳母にゆかりある神社で、日本で最初に道真公を「天神」
としてお祀りしたことから。
大人の背丈位のわらの色の茅の輪。(2017.6.29撮影)
北野天満宮の拝殿前の小さな茅の輪。青々として、ふさふさの茅の輪。
ちなみに楼門前には5mの大きな茅の輪が飾られている。(2016.6.30撮影)
神社によって、20日頃から茅の輪をくぐれるところ、
30日だけのところ、またくぐれる時間も決まりがあるかもしれません。
茅の輪をくぐってお参りしたい という方は、ご確認のうえお出かけくださいませ。
さて、
六月三十日といえば、もう一つ。
京都では、和菓子の「水無月」をいただく日です。
水無月は、三角の白いういろうのような生地の上に、
小豆の甘煮がのっている、食感のいい蒸し菓子です。
和菓子では珍しい三角の形は、氷の貯蔵庫である氷室から宮中へ献上された氷片を表し、
上にのった小豆は、その赤色が、悪霊退散、魔除け、と言われています。
暑い夏に疫病が流行ることも多かった昔、
茅の輪をくぐったり、水無月をいただいたりして、
息災に暮らせるよう、祈願されていたのでしょう。
昔は、家々で作られていた、とも聞きますが、
水無月は、和菓子の中では、比較的作りやすいのです。
一つずつ、包んだり、形作ったりする手間がいらず、
材料を混ぜる 型に流して蒸す 切り分ける
…電子レンジがあると、さらに手軽で時短でできます。
ただ、材料の配合によって、味や風味、とりわけ食感が異なります。
ういろうに似た、もっちりして しこっとした弾力のある口当たり。
市販のものでも、お店お店でかなり違いがあるのです。
主原料は、小麦粉。あと、葛粉、浮き粉、上新粉、もち粉など、いろいろ
レシピはありますが、
ここでは、入手しやすい、片栗粉と白玉粉を加えてみました。
味や色のバリエーションも、生地が緑色の抹茶風味、茶色の黒糖風味、
また、豆がえんどう豆、白大豆、金時豆など、いろいろありますが、
本来の意味、氷と赤い豆で、白い生地に小豆甘煮で作りました。
ぜひ、試してみてください。
◆ 水無月
【材料】 (16×8㎝パウンド型1個分=水無月4個分)
薄力粉 50g、 白玉粉 25g、 片栗粉 5g、 砂糖 50g、
水110cc 、 小豆甘煮(甘納豆】80~100g
くっきんぐせさみおいる 少々
【作り方】
1.型の底にオーブンペーパーをしき、側面とペーパーの上に
うす~く、くっきんぐせさみおいるを塗る。
2.ボウルに白玉粉と片栗粉を入れて、指で粉のかたまりを
つぶしながら、水を少しず加えてだまがなくなるように混ぜる。
3.砂糖を加え混ぜ、薄力粉をザルでふるいながら加え混ぜて、
こして、1の型に流し入れる。このとき約大さじ2をとっておく。
4.3にふわっとラップをかけて電子レンジで2分加熱する。(550ワット)
(加熱ムラができないように1分たつと、置き場所を少しずらす)
5.取り出して、上に小豆をちらし、3で取っておいた残り生地を
約大さじ1の水でときのばして上に流し、ふわっとラップをかけて
電子レンジで1分10秒加熱。
(途中、10~20秒ごとに様子を見る)
6.冷めると切り分ける。
※ 出来上がり、手にくっついて作業しにくい。くっきんぐせさみおいるを
ぬっておくと、型からはなれやすい。
油をつかっていることは全くわからない美味しさ。
※ 甘納豆に砂糖がついているときは、さっと洗って表面の砂糖をとり
ザルで水分をとっておく。
※ 電子レンジではなく、鍋で蒸す場合は、強めの火で蓋をして、
最初に18~20分蒸して、小豆を載せてから10分ほど蒸す。
※ 電子レンジで作る場合は、耐熱ガラスや、電子レンジ加熱OKの
プラスチック容器やシリコン容器で。
金属の型や、ホーローは使えません。
くっきんぐせさみおいる