桜の花のミニおにぎり~ごま風味

はやいもので、4月を待たずに桜の花が満開になりそうな京都です。
先週、春分の日のころは、ぐんと冷え込みましたが、
その後は、あたたかで穏やかな日が続き、市内各所で
早めの桜がほころんできています。

写真は、きょう3月26日の東本願寺前です。
京都駅の近辺では、こんなふうに桜が五分(?)咲きのところが
あちこちで見られます。

これから1週間は、温暖な日がつづくとの予報なので、
例年よりもはやい花便りに、お花見の計画もはやまりそうですね。

さて、「お花見」、「花便り」という言葉、
それから、花曇り、花明かり、花吹雪、残花、花筏、
花嵐、花霞、花風、花屑、花の雨、花の宴…

いずれも、「桜」という文字はなく
「花 」とあるだけなのに、
「桜」の花のことを指しています。

花といえば桜、
日本人が、昔からどんなに桜の花が好きで
花開くのを待ちわびているかが窺えます。
桜ほど、私たち日本人の心に訴えかける花はないのでは…。

目で楽しむ桜だけでなく、
舌で味わい、香りを楽しむ桜もこの季節ならでは。

桜餅や、花見団子の桜の花の香りは、
春を満喫させてくれるものの一つです。

きょうは、ご家庭で簡単に作れる、
桜の花のミニおにぎりをご紹介します。

桜餅の香りが楽しめるおにぎり。
お花見など行楽のお弁当にぴったりです。
また、人が集まる機会が多い春の食卓にも
見栄えがして喜ばれます。

桜の花の風味に、ごまの香ばしい香りがよく合います。
ぜひ作ってみてください。

◆ 桜の花のミニおにぎり
【材料】(約16個分・4~5人分)
・ご飯 約2合分
・白炒りごま 大さじ2
・白すりごま 大さじ1
・桜の花の塩漬け 約30g
・桜の葉の塩漬け(下に敷く)適宜
   
 【作り方】
1 桜の葉と桜の花を洗って、水に浸け(約10分)塩抜きし、水気をきっておく。
2 桜の花は、飾り用を(個数分)とっておき、残りを細かいみじん切りにする。
3 ご飯に、2の刻んだ桜花とごまをまんべんなく混ぜて、まるく握り(ラップを使うと衛生的で、形作りやすい)上に飾り用の桜の花をのせる。
4 器に1の桜の葉をしいて。3をのせる。

※ 米に餅米を混ぜると、もっちり食感でおいしいです。
※ 桜の花の塩漬けは、味見をして塩気を確認してください。

【今回使用したのはコチラ】


いり白
炒りごま(白)


すり白
すりごま(白)

ごまぼた餅~春彼岸に

春のお彼岸となりました。
今年の春分の日 3月21日が、春彼岸の中日。
その前後3日間ずつを合わせた7日間、
今年は、3月18日から24日までが 春彼岸です。

お彼岸といえば、お墓参り。
おうちの仏壇をきれいに掃除して、花を飾ります。
極楽浄土が真西にあるとされていることから、
太陽が真西に沈む春分の日が ご先祖を供養する日になったようです。

そして、お彼岸には、ぼた餅をお供えします。
ぼた餅といえば、イコールおはぎで、呼び名が異なるだけなのか?
ときどき話題にのぼります。

いろいろな説があり、
ぼた餅(牡丹餅)は、牡丹の花の時季である春彼岸、
おはぎ(お萩)は、萩の花咲く時季である秋彼岸…という説。

ぼた餅はこしあん、
おはぎは粒あん…という説。
この説は、ちゃんと意味があって、
春は小豆の収穫から日が経ち 皮が固くなっているのでこしあんに。
一方、秋は小豆が収穫したてなので、皮ごと使った粒あんにする…。

あるいは、
牡丹の花のような大きめのものがぼたもち。
萩の花のような小ぶりのものがぼたもち。
等など。。。

諸説は置いておくとして、春は種蒔き、秋は収穫、に結びつき、
自然への感謝や祈りが、ご先祖様への感謝の気持ちにつながる
ようになった 大切な行事がお彼岸だと思います。

今年は、手作りのぼたもちを作って、お供えしてみませんか。
あんの種類や大きさにこだわらず、
手作りならではの自由な味を楽しみましょう。
きょうは、
あん(が外側)の方には、ご飯に香りのいい白炒りごまを混ぜ、
きなこ(が外側)の方には、あんに黒すりごまを混ぜ、
きなこにも白すりごまをしのばせました。
どちらも香ばしい風味のぼたもち。

あと、ご家族のお好みで粒あん、こしあん、
また、きなこの代わりに青海苔など
お好みの味を作ってみてください。

出来たてのおはぎは、ほのかに温かさも残っていて
ふっくらした食感で、ほっとする美味しさです。

◆ぼた餅
【材料】(大きめ約8個分)(あんときなこ4個ずつ)
もち米 1.5合
うるち米 0.5合 
塩 少々
(粒)あん 約400g
A(あん)【白炒りごま 大さじ2】
B(きなこ)【黒すりごま 大さじ2 
  b[きなこ 大さじ4+白すりごま・砂糖 各大さじ1+塩 少々]】

【作り方】
1.お米は洗ってザルにあげ約60分水に浸け 炊飯器で炊く。10分ほど蒸らして塩を全体にふり入れ、すりこぎや麺棒でかるくつぶす。

2.1を3:2くらいに分け、少ない方に白炒りごまを混ぜる。それぞれ4個ずつ分けて丸めておく。(少なめの白炒りごま入りが あん(A)の方、多めのものが きなこ(B)の方)

3.あんも3:2くらいに分け、少ない方に、黒すりごまを混ぜておく。それぞれ4個ずつに分けて丸めておく。(大きめのあんのはあんの方(A)、小さめのごま入りは、きなこの方(B))

4.あんの方(A)は、3のあん(だけ)をラップの上にのばして広げ、2のごま入りご飯をのせて包むようにして丸く形作る。

5.きなこの方(B)は、2のご飯だけのものをラップの上に薄く広げ、3のごま入りあんをのせ包むように丸く形作る。bを混ぜて周りにまぶしつける。

※ このレシピにこだわらず、自由に作ってください。
※ ご飯は、もち米ばかりだと 冷めるとかたくなりますが、
  うるち米が混ざるとかたくなりにくく、また、
  ちょっと歯ごたえが出て食感がよくなります。
※ 乾燥しないように、ラップなどをかけて常温で保存し、
  その日のうちにに食べてください。

※ 粒あんを手作りする場合は下記をご参照ください。
   ↓
■ 粒あん(作りやすい分量)
小豆 300g 
砂糖 250~300g
塩 少々
1.小豆は洗って、たっぷりの水を加えて煮立ててる。沸騰するとざるにあける。このゆでこぼしを2回くり返す。

2.再びたっぷりの水を加えて沸騰させ、弱火でアクをとりながら炊く。小豆が常に水面下にあるようにときどき差し水をする。

3.指でつぶれる位に柔らかくなると、煮汁を捨て砂糖を3度に分け入れ、水分をとばしながら煮る。焦がさないよう時々混ぜ、あんが木べらから落ちないくらい煮詰める。仕上げに塩少々を入れて混ぜ、しっかり冷ます。

※ ちょっとやわらかいかな、というところで火を止めると、パサつかずしっとりとしたあんができる。

【今回使用したのはコチラ】

すり白
すりごま(白)


すり黒
すりごま(黒)

 
いり白
炒りごま(白)

春の味~ホタルイカ飯

三月に入り、暖かくなったかと思えば、
寒さがぶり返し、また暖かくなって…と
寒暖差の大きい今日この頃です。…が、
確実に春が近づいてきています。

きょうは、海の幸の中で代表的な春の風物詩、
ホタルイカに焦点を当てます。
ホタルイカは、日本海側、富山から兵庫のあたりが産地で、
その漁期は春の数ヵ月だけ。

その名にホタル(蛍)が付くように、体に発光器がついていて
光を発するホタルイカ。
深海に生息していて、春になると産卵のため海面に集まります。
網にかかったホタルイカが青い光を放ち、夜の日本海が
神秘的で幻想的な世界に一変する様子は、
富山湾でのみ見られる光景だそうです。

春の富山湾のホタルイカの幻想的な光体験、
一度は行ってみたいものですね。。。

・・・観るのはむずかしいので、食べる方でホタルイカを
楽しみたいと思います。

一般的に出回っているホタルイカは、ボイルしたもの。
(生のホタルイカは寄生虫がいるので、凍結等の処理をしないと
 食用には適しません)

献立としては、酢味噌和え、天ぷら、旨煮などで食することが
多いと思います。

きょうは、ホタルイカをご飯と一緒に炊き込んだ
ホタルイカ飯を作ってみました。
お米と一緒に炊くだけなので、とっても簡単です。
ただ、ホタルイカの目とくちばしは付いていると口あたりがよくない
ので 取り除いてください。
(取り除いた状態で販売されているものもあります)

隠し味にごま油を入れると、風味豊かに、
つややかにご飯が炊き上がります。

ホタルイカの持ち味を生かした
旨みのある炊き込みご飯は 春を呼ぶ味です。
是非つくってみてください。

◆ホタルイカ飯
【材料】(約4人分)
 米 2合
 ホタルイカ(ボイル) 1パック(80~100g) 
 A【酒 大さじ2、みりん・濃口醤油・うす口醤油 各大さじ1、
塩 少々】  
 生姜 1かけ、
 昆布 約5cm角、
 ごま油 大さじ1/2、
 青じそ 3枚、
 白炒りごま 適宜
  
【作り方】  
 1.ホタルイカは流水でさっと洗い下処理する。
  (目、口ばし[足のつけ根にあるかたい部分]を取り除く)
 2.米をとぎ30分ほど水に浸けておく。生姜はせん切りにする。
 3.2の米をザルにあげ炊飯器に入れ、Aと昆布を加えて水を足し
   2合分の水加減にし、1をのせごま油を回しかけ炊飯する。
 4.炊き上がると昆布をとり出し軽く蒸らし底から混ぜ合わす。
  (ホタルイカはやわらかいのでつぶさないよう注意)
 5.お茶碗によそい、青じそのせん切りを散らし、炒りごまを
指先でつまんでひねる。(すりつぶすようにする)
   
※ 今回は、仕上げに青じそを使いましたが、細ねぎ、三つ葉やせり等
 お好みの青味を散らしてください。
※ お米の一部をもち米にすると、もちっとした食感の炊き込みご飯
 になります。
※ 炊飯器でなく、土鍋で炊くとさらに美味しそうです。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油 

 
いり白
炒りごま(白)

手まり寿司~雛祭や春の行事に…

ここ数日、京都では暖かな日がつづきます。
あちらこちらで 梅のつぼみも急にほころんできました。

きょうは三月三日、五節句の一つ
「上巳(じょうし)の節句」です。

五節句・・・
一月七日の人日の節句、五月五日の端午の節句、
七月七日の七夕の節句、九月九日の重陽の節句、
そして、三月三日は桃の節句(上巳の節句)。

一般的には、「ひなまつり」…京都では親しみやすく「おひなさん」とも
呼ばれています。

その起源をたどると…
身に降りかかる災厄を、人形(ひとがた)に移らせて、
川や海に流して厄を祓う、というのが始まりだそうです。
その流しびなから、やがて、飾りびなへと変わっていき、
現代のように雛人形を飾るようになったのですが、
形は変わっても、女の子の健康とすこやかな成長を祈る
という願いは同じです。

ひなまつりは、桃の節句 とも呼ばれ、桃の花とゆかりがあるのは、
桃がこの時季に花を咲かせるから、ということに加え、
桃には昔から邪気を祓う力がある、と言われているからです。

女の子のいるお宅では、雛人形と桃の花を飾ってられることと思います。
それから、ひなまつりの日の献立と言えば、
ちらし寿司、というご家庭が多いのではないでしょうか。

ただ、ちらし寿司そのものにひなまつりにゆえんがある、
という訳ではないようです。

おそらく、女の子の健康を祈り、体に良い食材を…ということから、
海老(長寿)や蓮根(見通しがきく)など縁起のいい具や、
お祝いにふさわしい、卵、人参、三つ葉など春らしい彩りのもの等、
色々な具を混ぜこんだちらし寿司が ひなまつりの行事食のように
なっていったのでしょう。

さて、ちらし寿司もいいのですが、
きょうは、可愛らしく彩りの美しい
手まり寿司を作ってみました。

ラップをつかって丸く形作った手まり寿司は、
かわいらしくて、上に具をトッピングするだけで、見栄えがします。

ひなまつりの菱餅の色、赤、白、緑の食材、そして
春らしい黄色の食材があれば、
華やかで、食卓が引き立ちます。

こちらの食材は、野菜中心。
いくらもサーモンもまぐろもありません。

魚介のお刺身を色いろのせると、もちろん豪華です!
が、質素な食材でも彩り美しく、美味しそうに見えます。

切り方やのせ方を工夫しながら、のせていくのは
楽しい作業。
お子様とご一緒に作られてはいかがでしょうか。

ひなまつりだけでなく、この季節の行事、卒業式、入学式などのお祝い
の席にもぴったり。
是非おためしください。

◆ 手まり寿司
【作り方】(約4人分)
   ・ご飯 約2合分
   ・合わせ酢(1合半の分)
    A【米酢 40cc(大さじ1.5強)、砂糖 大さじ1、塩小さじ2/3】
   ・白炒りごま 大さじ3
   ・ B【米酢 大さじ1、砂糖 少々、ゆかり 小さじ1】
   ・ 黒すりごま 小さじ2
  
   具
   ・青味[きゅうり、青じそ、貝割れ、菜の花など] 
   ・赤い食材[かにかま、とびっこや辛子明太子、ゆでタコ、
           梅干し、日野菜のお漬物など]
   ・ 薄焼き卵
   ・白い食材[れんこん、ラディッシュ等]
   ・海苔

   
【作り方】
 1.固めに炊いたご飯の3/4(約1合半)に合わせ酢を混ぜて冷ます。
    白炒りごまを混ぜる。(白い酢飯)

 2.Bを電子レンジで約10秒加熱して混ぜ、残りの半合分のご飯と混ぜ
   冷まして、黒すりごまと混ぜる。(赤い酢飯)

 3.きゅうりとラディッシュは薄切りにして、塩をふりかけ水分をとる。
   れんこんは薄切りをゆでて酢漬けに、菜の花はゆでて食べやすく切り、
   ゆでタコは食べやすく切り、薄焼き卵は細切りに。 

 4.1と2をそれぞれ、ラップを使って食べやすい大きさにまるめ
   (ピンポン球くらい)、上にお好みの具を彩りよくのせる。

【今回使用したのはコチラ】

すり黒
すりごま(黒)

 
いり白
炒りごま(白)