ごま香る 揚げ餅のお雑煮

年が明けてから、はや半月が経ちました。
「一月往ぬる(行く)」と言われるだけあって、はやいです。

さて、一月の陰暦の異名といえば「睦月」
睦月の語源は、いろいろあるようですが、
年始で、親族が集まり、仲睦まじくする月であるから、
という説が有力だそうです。

ちなみに、一月には、ほかにもたくさんの異名があります。

祝月、嘉月、初月、正月、元月、太郎月、初春、初空月、
初春月、献春…等など。

いずれも、おめでたそうなもの、一年の最初のもの、
という雰囲気の字ですね。

一年で一番たくさんお餅を食べる月なので、
「餅月」というのはないのだろうか、と思ったのですが、
「餅搗き」はあっても、「餅月」という言葉はないようです…

お餅というと、お正月にいただくお雑煮は、
地域によって、同じ「雑煮」とは思えないほど多種多様です。

主役のお餅も様々。
形は、四角い角餅と丸い餅。
主に東日本は角餅、西日本は丸餅文化。

お雑煮発祥の地と言われる京都の食文化の影響が強い地域は
丸餅のようです。

また、お餅の調理法も、そのまま、という所もあれば
香ばしく焼いてから入れる、という地域もあります。

あと、京都は白味噌仕立てですが、
西日本で優勢なのは、醤油味。
少数派ながら、赤味噌仕立てや、小豆のお雑煮の所もあります。
が、全国の過半数は、澄まし仕立てです。

また、具も、それぞれの地域の特産物…海産物や野菜などを入れ、
具だくさんのところもあれば、シンプルな具もところもあり。。。

京都の具は、頭芋(里芋)、大根、(にんじん)…
神仏にお供えするので精進。だしも、昆布だしです。
(いただくときにかつお節をかけることが多いです)

頭芋(かしらいも)は、里芋の親芋。
お正月の縁起物で、人の上に立つ「頭(かしら)」になるように
という願いをこめたものです。

長男は、頭芋を切らずに丸のままお雑煮に入れる、とも聞きます。
大きいほど喜ばれる、とも言われる頭芋ですが、
実際、お椀いっぱいになる大きな頭芋を、食べきるのは
ちょっと大変かと思います。。。

ちなみに、お隣の奈良は、同じ白味噌仕立てでも、お餅にきなこをつける、
とも聞きますし、同じ県内でも、場所によって違ったり、
家庭によって違ったり、お雑煮は、本当に興味深いです。

さて、
今回ご紹介するお雑煮は、揚げ餅に、すまし汁です。

揚げ餅は、ごま油でお餅を素揚げにするのですが、
風味、香りがとてもいいのです。
そこへ、だしのきいたすまし汁、しゃきっと食感のいい水菜。
そして、上にのせた「かぶらおろし」がふんわりと、
やさしい食感と風味を添えてくれます。

大根おろしでもいいのですが、「かぶらおろし」の方が、
水っぽくなく、辛みもなく、ほのかな甘みと風味。
消化を助ける酵素(ジアスターゼ)も含まれているので、
胃腸に優しい働きもあります。

残っているお餅があってもなくても、是非お試しください。

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◆揚げ餅雑煮
 【材料】(約4人分)
   お餅 4個、 ごま油 適宜
   小かぶ 1個、 (京)にんじん 3~4cm
   水菜 1/2把、
   A【だし汁(かつおと昆布の濃い目) 約4カップ、
     うす口醤油 大さじ2、酒・みりん 各大さじ1、塩 少々】
   白すりごま 大さじ1~2
  
 【作り方】
   1.にんじんは4、5mm巾の輪切りにし、梅型などで型抜きする。
     小かぶもにんじんと同じように切って型で抜き、
      残りはすりおろす。
   2.水菜はさっとゆでて4㎝長さに切りそろえておく。
   3.お餅は、やや低温に熱したごま油で素揚げにする。
     (油は少なめでOK。160℃くらいで、かるく揚げ色がつくまで
      ゆっくり揚げる)
   4.Aを煮立てて、味を調え、1の型抜きしたにんじんとかぶ
     を入れ一煮する。
   5.お椀に3の揚げ餅を入れて、4をかけ、2の水菜と
     1のかぶらおろしをのせ、上から、すりごまをかける。

  ※ お好みで、水溶き片栗粉でとろみをつけても美味しいです。
  ※ 柚子の皮、あるいは、おろし生姜など、お好みで添えても…。

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油


すり白
すりごま(白)

平成二十八年 明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。

今年は平成二十八年、
西暦では、二〇一六年、
十二支では申年です。

申(さる)の年は、「病が去る」「厄が去る」と言われます。
悪いことが去り、明るい展望が開ける年になることを
願うばかりです。

さて、
こちら「今日(京)のおばんざい、なあに。」も
五度目のお正月を迎えます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

きょうは一月六日、
二十四節気の「小寒」、
「寒の入り」です。

きょうから節分までが「寒の内(寒中)」、
最も寒さが厳しくなる頃です。

「寒稽古」や「寒中水泳」が行われるのは、この「寒」の時季、
寒中見舞いを出すのなら、今日からです。

年賀状が出せなかったり、返答が遅れたり、
また、喪中のときの(喪中の方への)ご挨拶に、
あるいは、寒冷地、豪雪地に住まう知り合いを
気遣う便りに、利用されてはいかがでしょうか。
(この冬は、今のところ暖冬ですが…)

喪中の方は、年始にほとんど挨拶が届かず、
ひときわ寂しい新年を迎えられているので、
寒中見舞いを送れば、心和まれるのではないでしょうか。

さてさて、
お正月の厨房に、おせち料理は残っていませんでしょうか。
我が家では、黒豆が少し残っていました。

黒豆は、数の子、ごまめと並んで、
三種の祝い肴の一つです。
(関西では、黒豆の代わりにたたきごぼう)

黒色は、邪気をはらい、また、今年一年、まめ(勤勉)に働き、
まめ(健康)に暮らせることを願って、おせち料理に
黒豆を食べるようになったそうです。

栄養面でも、黒豆には、良質のたんぱく質が含まれ、
生活習慣病の予防、美肌効果があります。

甘みのある黒豆煮、冷蔵庫に保存していても、
だんだんと味が落ちていくので、ぼちぼち食べきりましょう。

きょうは、黒豆入りのかるかんを作ってみました。
かるかんは、山芋、砂糖、米粉が原料の
シンプルな九州の和菓子です。

上から黒ごまを散らして、白い生地との
コントラストが映えます。

この一年、まめに暮らせることを願って
是非作ってみてください。

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◆黒豆と黒ごまのかるかん(約6こ分)
【材料】
   山芋 40g、 砂糖 75g、 水 50cc、
   上新粉 50g、 卵白 20g(1/2個分)
   黒豆 18~24粒、 黒炒りごま 大さじ1~2
【作り方】
   1.山芋はすりおろして、砂糖65gを加えて
     泡立て器で混ぜる。
   2.1を混ぜながら、水を少しずつ加え均一にする。
   3.上新粉をふるいながら加えて、混ぜる。
   4.卵白を泡立てて、砂糖10gを加えて、しっかりした
      メレンゲを作り、3に混ぜる。
   5.プリンの型や湯のみなどに、くっきんぐせさみおいるを
     うすくぬり、黒豆を散らした上に、4を流す。
   6.15分ほど蒸す。(電子レンジOKの器であれば、
     電子レンジで3分ほど加熱する)

   ※ 砂糖の量は、お好みで調節してください。
   ※ 大きい型(丸型、長方形の型)1つに全部流して蒸し、
     切り分けてもよい。
   ※ 黒豆に加えて、栗きんとん、きんかん煮などを
     入れても美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】

cooking sesami oil

くっきんぐせさみおいる

いり黒
炒りごま(黒)

2015年を締めくくる「おにぎらず」

2015年も残りわずかとなりました。

様々なことがあった2015年、
食の世界でも、栄養面、流行や嗜好など多方面で
いろいろな献立、食材や調理法が話題になりました。

そして、今年の一番に選ばれたものは、
「おにぎらず」です。

(レシピ・サイト「クックパッド」が、食のトレンドとなったキーワードを
 選定する 「クックパッドアワード2015」で「おにぎらず」が大賞。
 また、 食をテーマに調査・研究を行う(株)ぐるなび総研が、
日本の世相を反映し象徴する『今年の一皿』に選定したのも
「おにぎらず」!
 両方で、今年の一番に選ばれました)

この「今日(京)のおばんざい、なぁに。」でも前にご紹介しました。
(こちら→2015年4月26日分
海苔の上にご飯、具、ご飯をのせて包んだ、
にぎらないおにぎり、半分に切ると断面がきれいに見えるところが、
今までのおにぎりと異なるところです。

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具はなんでもOK、半分に切ると中身がきれい…と言われていますが、
実際には、うまくできなかった…という声を聞くこともあります。

確かに、中に入れる具、ご飯の量、などで、仕上がりの状態や、
食べやすさが違ってきます。

今回は、食べやすくて、見栄えがする「おにぎらず」の作り方のコツを
ご紹介いたします。

まずは、食べやすさ。
ポロポロしてこぼれて食べにくい、と時々ききますが、
これは、具の種類と、ご飯の量と押し加減。

そぼろ状の具は避ける。
ご飯の量はやや多めに、そして
慣れない場合は、形作ってから海苔にのせると
きれいに仕上がります。

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こんなふうにラップで形作っておくと、
食べやすく、見た目もきれいにできます。
分量のめやすは1個に150gのご飯。(75g×2)
炒りごまを混ぜ込み、金ごま油を少々混ぜると、
風味と香りがよく、扱いやすくなります。

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ご飯の上に、牛肉のしぐれ煮。
全体にすきまなく、のせる。

その上に、暑さ8㎜位に焼いた卵焼き(ご飯より一回り小さい)
をのせ、その上に、菜の花をのせる。

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互い違いの方向にのせて、茎を垂直に切るようにする。
(切り口もきれいで、食べやすい)

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上にご飯をのせると、軽く押しながら、海苔でしっかり目に包み、
上から、お皿などで重しをして少しおいてから切る。

海苔巻と同様、水でぬらした包丁で切れば出来上がり~

切り口に、菜の花を挿しこむように入れると、きれいです。

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米離れが懸念されている近年、
日本のお米文化を推進する「おにぎらず」
今後も作り続けられる日本の食文化として定着するでしょう。

さて・・・
今年一年間、「今日(京)のおばんざい、なぁに。」を
お読みいただき、ありがとうございました。

来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
2017年が佳き年となりますように。
皆さま、よいお年をお迎えくださいませ。

◆おにぎらず
【1個分の材料】 
    海苔 1枚、 ごはん 約150g、 
    白炒りごま 大さじ1、 金ごま油 少々
     
    具:●牛肉のしぐれ煮(など、そぼろ状でないもの。
       ほかに、缶詰のさんま蒲焼など)
       ● 卵焼き(または、しっかり焼いた目玉焼き。
        炒り卵は、ぱらぱらしてこぼれて食べにくい)
       ● 菜の花のゆでたもの(または、アスパラガス、
        三度豆など棒状の野菜)

【今回使用したのはコチラ】

いり白
炒りごま(白)


金ごま油290
金ごま油

ベジブロスで 胡麻みそシチュー

師走に入ってから、瞬くまに日が過ぎていきます。
はやいもので、今年も残り僅か。

そして、もうすぐ、クリスマスです。
クリスマスは、いつのころからか宗教の壁をこえたかのよう、
子供から大人までが楽しむ行事となっています。

あちこちで、煌びやかなイルミネーションが輝き、
プレゼント用の素敵なグッズやおもちゃ、食卓を彩るご馳走や
美味しそうなケーキのチラシやパンフレットがあふれ、
はやくから、クリスマス(商戦)の準備がされています。

さて、
クリスマスの献立といえば、
定番のローストチキン、フライドチキンなどチキン料理のほか、
彩りの美しいサラダや前菜、ミートローフ、シチュー等など、
洋風のものが多いですね。

今回は、「和」のクリームシチューをご紹介いたします。
クリームシチューといえば、市販のルウ、あるいは、
バター、小麦粉、牛乳がベースになります。
が、この和のシチューのベースは、白味噌、白練りごまと豆乳、
そして、ベジブロス。

ベジブロスは、くず野菜で煮出した、だしのことです。
くず野菜は、野菜の皮や、へた、種など、捨てる部分。
とはいえ、この部分には、野菜の栄養が凝縮されているのです。
そして、くず野菜を煮出したベジブロスには、栄養があるだけでなく、
野菜ならではの風味や甘みがたっぷり。
料理に使うと、味に深みが出て、美味しくなります。

栄養が摂れ、美味しさがアップし、しかも捨てるという無駄がなくなります。
作り方も簡単。是非作ってみてください。

◆ ベジブロスの作り方
 1.野菜の皮や切れ端を鍋に入れ、水をかぶるくらい入れる。
   酒と塩を少々加えて、弱火で20~30分ほど煮る。
   (アクはとらなくてもよい)
     002

 2.ザルなどでこす。
 ※ こした汁、ベジブロスは、冷蔵庫で4~5日保存できます。
   製氷皿などで冷凍させると、2カ月ほど保存可)

野菜の皮や切れ端は、玉ねぎ、にんじん等根菜の皮やへた、
パセリのかたい軸、ブロッコリーの葉、かぼちゃやピーマンの種など。
たくさんの種類の野菜くずを入れると、それぞれの野菜のもつ旨みの
相乗効果で、いっそう美味しく仕上がります。

農薬が気になる場合は、流水でよく洗ってください。

ベジブロスで作ったシチューは、
野菜の風味のいいだしで、まろやかな味わい。
和のシチューを奥行きのある深い味にしてくれます。

シチューのほか、味噌汁などの汁物、カレーなどの煮込み料理、
和洋を問わず、いろいろな献立に使えます。

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◆胡麻みそシチュー
 【材料】(約4人分)
  白ねぎ 1/2本、 きのこ(しめじ、マッシュルーム等)適宜
  じゃが芋 2個、 にんじん1/2本、 小かぶ 1コ
  ブロッコリー、カリフラワー 適宜、 油揚 1枚、
  ごま油 大さじ1
  ベジブロス 2カップ、  
  A【白ねりごま 大さじ3、白味噌 大さじ1、うす口醤油 小さじ1/2
     塩小さじ1/2、】  豆乳 2カップ、 
  こしょう 少々、 ピザチーズ お好みで適宜
  
【作り方】
   1.白ねぎは薄い斜め切り、きのこは食べやすく切り(ほぐし)、
     じゃが芋、にんじん、小かぶは食べやすく切る。
     ブロッコリーとカリフラワーは、小房に分け、さっと湯通しする。
   2.フライパンにごま油を熱し、白ねぎを炒め、しんなりすると、
     きのこ、油揚げも加えて炒める。
   3.鍋にベジブロスを入れ、食べやすく切ったにんじんを入れ
     火にかけ、沸騰すると、弱火で煮ながら、じゃが芋も加え、
     小かぶ、ブロッコリー、カリフラワーも加えて煮る。
   4.2にAを加えて一炒めし、3の煮汁で溶きのばし、3の具も
     加える。豆乳も加えて弱火で煮て、こしょうを加えて味を調え、
     お好みでピザチーズを煮溶かして、出来上がり。

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【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油


ねり白150
練りごま(白)

ごま味噌玉

「味噌玉」
ごぞんじでしょうか。

味噌とだしと具を丸めたもので、
お湯を注ぐだけで、手軽にお味噌汁ができる!
という自家製のインスタント食品。

インスタントといえども、健康的でエコ。
慌ただしい朝にもよし、
お弁当に持って行くもよし(熱湯が使える環境にかぎりますが)
夜遅くなった時の一汁にもよし。

…いろいろな場面で活躍し、また、
冷蔵庫や冷凍庫で保存がきくので、作りだめもできます。

そのルーツをたどると、戦国時代に携帯できる保存食として
重宝されていた「兵糧丸(ひょうろうがん)」に行き着きます。

兵糧丸は、忍者が隠密で行動するときの必需品だったそう。
聞くところによると、上杉謙信が「兵糧丸」を工夫して実用化したとか…
当時、いろんなレシピが考案されていたのでしょうか。
おこしなども、兵糧丸が起源のようです。

なにやら、戦国時代の知恵が集約された、
スーパーフードのようですね。

さておき、お味噌汁は、家庭の味。
湯気の香りを嗅ぐだけで、心がほっと落ち着きます。
これから寒くなる時季はさらなり…です。

また、お味噌は栄養的にもすぐれています。
「畑の肉」と言われる栄養価の高い大豆が、味噌の原料。
大豆の含有量としては、そんなに多いわけではありませんが、
味噌づくりの過程「発酵・熟成」によって、大豆たんぱく質が、
少量でも効率よく体内に吸収されるそうです。

「医者に金を払うよりも味噌に払え」
「みそ汁は朝の毒消し」
「味噌は医者いらず」…等など、昔の人の残した言葉から
味噌が健康にいいことはよくわかります。

ガンや生活習慣病、脳卒中などの発症を低下させ、また、
老化、骨粗鬆症を防止する働きもあるそう。
毎日の食事に、是非お味噌汁を取り入れたいもの、
冷蔵庫にいつも、この味噌玉があれば、本当に便利です。

味噌玉のレシピは、決まったものはないようですが、
ごま油を混ぜ込むと、コクのある味になり、また混ぜやすくなります。
加えて、すりごまを入れると、さらに風味アップ。

下のつくり方を参考にしていただき、
是非、いろんな味噌玉をつくってみてください。
周りにまぶすものを工夫すれば、
ビジュアル的にも面白いものができます。

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◆ごま味噌玉

【材料】(約5個分…お味噌汁5杯分)
    みそ 80g(2種類以上のお味噌を混ぜても美味。
           今回は、白味噌30g+信州味噌50g)
    かつお節 8g、 白すりごま 大さじ2、 ごま油 小さじ1
    乾燥わかめ 小さじ1~2

    具【桜えび・切干大根・刻みねぎなど 各適宜】

    風味【柚子こしょう・七味・山椒・胡椒・生姜など 各少々】

    周り【白ごま・黒ごま・もみ海苔・とろろ昆布・(花)麩など 各適宜】

  
 
【作り方】
   ※ かつお節は細かいもの、パックを使うときはもんで
     細かくする。
   
   1.ボールに、みそ、かつお節、白ごま、ごま油を入れて
      まんべんなく混ぜる。
     (これが、ベースになる)
     036
     

   2.1にお好みで風味の香辛料を1つ加えて混ぜ、
     具を入れてまんべんなく混ぜて、5つに分けて、
     ラップでまるく団子にする。
   3.周りにごまや海苔、とろろ昆布、麩などまぶす。

   ※ ベースになるだしには、いりこ(だしじゃこ)を
    砕いて入れても。

   ※ 具は、乾燥のもの(野菜、きのこ)を入れると
     日持ちがする。
     (生の場合は、できるだけ水分を取ってから入れる)

   ※ 保存は、具材にもよりますが、
    冷蔵庫で1週間くらい。冷凍庫なら1カ月くらい。
    
   ※ 2の次に、丸めた状態でオーブントースターなどで焼くと
    香ばしい風味になります。
  
【今回使用したのはコチラ】

白ごま油275
(白)ごま油


すり白
すりごま(白)


いり白
炒りごま(白)


いり黒
炒りごま(黒)

大根焚き~おうちでごま油を使って

何かと心忙しい師走を迎えました。
だんだんと冷え込む毎日です。

どんどん寒くなっていくのは、辛いのですが、
寒さとともに、冬野菜がおいしくなっていくのは
ちょっと嬉しいです。

日本人が一番よく食べる野菜は、
冬野菜の代表、大根だそうです。

大根は、生をサラダに、おろしに、お漬物に、
加熱して、お味噌汁に、おでんなど煮物に…
シャキッとしたみずみずしい食感を楽しんだり、
煮汁がじゅわっとしみたとろけるようなやわらかさを
味わったり…いろんな美味しさが味わえます。

一年中出回っている大根ですが、旬は冬。
寒くなるにつれ、甘みが増して美味しくなるのです。

京都では、師走に、お寺などで、大根をたいて参拝者に振るまい、
お供えする行事、大根焚き(だいこだき)があります。
数多くの大根が並べられ、大釜でたいて、振るまわれる様子は
師走の風物詩にもなっています。

有名なところでは、
12月7日、8日:大報恩寺(千本釈迦堂の大根焚き)、
12月9日、10日:鳴滝了徳寺(了徳寺の大根焚き)、
毎年、たくさんの参拝者で賑わいます。

たき方は、お寺によっていろいろで、
塩で煮こんだ素朴なものから、油揚げと一緒に醤油味で煮たもの等など。
たく前のお大根に梵字を書いてお供えするお寺もあります。

いずれも、この時にたかれる大根をいただくと、中風などの病気にならず
この冬、息災に過ごせる、と言われています。

参拝に行くのもいいですが、
おうちで、コトコトとお大根をたくのもいいもの。
お台所に、いいにおいの湯気が漂い、
身も心もあたたまります。

大根をごま油で炒めてから煮ると、
コクがあり、ちょっと焼き目の香ばしさも加わる
美味しい煮物になり、あつあつはもちろん
冷めても美味しいです。
晩ご飯の一品に是非作ってみてください。

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◆ 大根焚き~おうちでごま油を使って
【材料】(約3~4人分)
    大根 約1/2本(500g)、 
    ごま油 大さじ1.5、 だし 2カップ、油揚げ 1枚
    A【みりん・酒 各大さじ2、 うす口醤油 大さじ1.5】
    濃口醤油 各大さじ1/2、  塩・砂糖 各少々 
    柚子皮・大根葉 お好みで各適宜、 
【作り方】
   1.大根は、皮をむいて2cmくらいの輪切りにして面取りする。
   2.鍋にごま油を軽く熱し、1の大根を入れて軽く炒める。
   3.2にだし、Aの調味料、太目の短冊切りにした油揚を入れ
     やわらかくなるまで煮込む。
   4.仕上げに、濃口醤油を加えて、一煮して器に盛る。
   5.お好みで、ゆでた大根葉を残りの煮汁でさっと煮て添え、
     刻んだ柚子皮を散らす。

   ※ 大根は面取りしなくても大丈夫です。
    (私は、面取りした部分を途中から入れて一緒にたき、
     味見用にしています)

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油

ハッセルバックポテト~ごま油風味

「ハッセルバックポテト」

ご存知でしょうか。
日本では、今まであまり聞き慣れぬ言葉でしたが、
最近、料理雑誌やネット上で、ときどき見かけます。

こんなポテト料理です。
    ↓
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そもそもは、スウェーデンの家庭料理で、
アコーディオンポテトとも呼ばれ、付け合わせとして
供されているようです。

アコーディオンポテト…というのは、蛇腹状の切り込みが
入っている形から、わかりますね。

ハッセルバックポテト…という名の由来は、スウェーデンのレストランの
名前からきているそうです。

ちょっと目を引くお洒落な姿が印象的、
外はカリっとしていて、中はほくっと柔らかい食感。

じゃが芋を切り離さないように、薄く切れ目を入れ、
お好みのオイルをかけ、好きな味をつけて、好きなものをはさむ。
いろいろなアレンジを楽しむことが出来ます。

オイルは、オリーブオイルを使うことが多いようですが、
今回は、ごま油で作ってみました。
ごまの香りが食欲をそそる、ごま油香るハッセルバックポテト、
是非作ってみてください。インパクトのあるポテトに
食卓がにぎわい、歓声が上がります。

じゃが芋には、意外にビタミンCがたくさん含まれています。
しかも、じゃが芋のビタミンCは、加熱しても壊れにくいそう。
だんだんと寒くなり、風邪をひきやすい季節、
ビタミンCたっぷりのじゃが芋を食べて、
元気に過ごしましょう~♪

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◆ハッセルバックポテト~ごま油風味
【材料】
じゃが芋(メークイン) 大2個
ごま油 小さじ4+少々
A【醤油 少々、細ねぎ1本】
B【ミニトマト2個、パルメザンチーズ 小さじ2】
塩・こしょう 各少々

【作り方】
1.じゃが芋を皮ごとよ~く洗い、皮付きのまま、
  横に3~5ミリ間隔に切れ目を入れていく。 
  割り箸などではさむように切れば、切り落とす失敗がない。
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 (間隔が厚めならホクホク、薄めならクリスピー
    になるのでお好みで調整)
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2.切れ目の間をよく洗い、約10分水にさらす。
  (デンプンでくっついて開かない場合があるのでよく洗う)
3.水気をふいて、ごま油を、じゃが芋の切れ目の間に入る
  ようにかけ、塩こしょうをふりかけ、220℃に温めたオーブンで
  40分程焼く。
4.一旦、取り出して、1個には、醤油をかけ、刻みねぎを散らす。
  もう1個は、切れ目に刻んだトマトをはさみ、パルメザンチーズをふる。
  ごま油少々をかけて、再びオーブンに入れて、5分程焼く。

※ 焼き時間はじゃが芋の大きさによって調節。
  仕上がりは、表面がカリッ、中がほくほく~♪

※ お好みで、切れ目の間にはハーブ(にんにくやローズマリー、バジル等)、
  ベーコンの小切など、はさんでも美味しいです。
 

【今回使用したのはコチラ】
白ごま油275
(白)ごま油

和食の日によせて~青菜のごま和え

きょう11月24日は「和食」の日です。

一昨年、「和食―日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコ無形文化遺産として登録されました。

そして、「和食」 文化の大切さを再認識するきっかけの日となるよう
11.24(いい日本食)ということで、この日が
和食の日に認定されたそうです。

四季のある日本は、豊かな食材に恵まれ、
独自の食文化「和食」を育んできました。

新鮮で多様な旬の素材を用い、その持ち味を生かした調理法。
「だし」のうま味を上手に使い、動物性油脂の少ない献立は、
日本人の長寿・肥満防止にもつながる健康的な食事として、
世界的にも注目されています。

また、春夏秋冬に合う器、季節感のある盛り付けで、
自然の美しさ、四季の移ろいなどの風情を食卓で表現するのも
和食の特色です。

それから、いろいろな行事食―お正月のお節料理をはじめ、
地域の年中行事に根付いた食習慣を
家族や地域で受け継いできました。

「和食」という料理だけでなく、それをとりまく文化、自然を尊び、
食習慣を大切にする姿勢をも含めて
文化遺産となったのです。

ただ、昨今、環境やライフスタイルの変化とともに、
こうした「和食」がだんだん姿を消してきています。

ユネスコ無形文化遺産として登録されたのを機に、
和食文化を見直し、次世代に継承していくことが、
今の私たちに求められている重要な役割なのでしょう。

さて、
「和食の日」にちなんで
今日は食卓に「和食」を盛り込んではいかがでしょう。

「和食」といっても、特別なものではありません。
京都の普段着のおばんざいは、ほとんど和食がベース。

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なんということのないおばんざいも,
こんなふうにお重につめるとちょっと「和」の雰囲気を高めてくれます。
にんじんを菊の型で抜いたり、
れんこんを花切りにすると、視覚にも秋が感じられます。

そして、
「だし」のうまみで、野菜だけでも美味しい。
さらにごまを加えると、風味や香りがよくなるのです。

・卵焼き
・とうがらしとじゃこの炒め煮
・蓮根とにんじんのきんぴら風煮物
・白菜と油揚の煮物
・ほうれんそうと春菊のごま和え
・三色なます(大根・にんじん・干しいたけ)

上の全部の料理に、ごまやごま油を使っています。
コクのある味になるだけでなく、ごま油と一緒に調理することで
カロチンなどは身体に吸収されやすくなります。
ごまも和食文化をしっかりと支えているのです!

きょうは、この中から、ほうれんそうと春菊のごま和えを
ご紹介します。
独特の風味の春菊。
ほうれんそうと合わせてごま和えにすると
それぞれ単独のごま和えよりも
ちょっとオツな味のごま和えになります。

春菊の風味の強さが、混ぜたほうれんそうで和らぎ、また、
ごまの香りがよく合うのです。

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◆ ほうれんそうと春菊のごま和え
【材料】
     ほうれんそう 1把、 春菊 1/3把、 
     A【白すりごま 大さじ2、 醤油 大さじ1/2、 砂糖 小さじ1、
       (濃いめの)だし 大さじ1】  金ごま油 少々

【作り方】
     1.ほうれんそうと春菊は塩ゆでして、しっかり水気を
       しぼって、4㎝くらいの長さに切る。
     2.Aを混ぜて、食べる直前に1を和える。
       仕上げに金ごま油を加え混ぜる。

   ※ ほうれんそうと春菊の割合はお好みですが、
     ほうれんそう多い目がおすすめです。
   ※ お好みで、柚子皮やおろし生姜を添えても、
     美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】

すり白
すりごま(白)


金ごま油290
金ごま油

昆布の日に~ごま香る昆布の浅漬け

十一月、といえば、
七五三のお祝い。
「七五三」は、氏神様にお詣りして、無事成長したことを感謝し、
これからの息災と長寿を祈願します。
もともとは宮中や公家の行事で、また、関東方面のことでしたが、
だんだんと一般的に広く行われるようになりました。

「七五三」が、11月15日とされているのは、
旧暦11月が、収穫を終え、その実りを神様に感謝する月であるから、
そして、旧暦15日は、かつては鬼宿日(鬼が出歩かない日)で、
何事をするにも吉である日、だから…と言われています。

今年の11月15日は、日曜にあたり、
また好天だったので、
「七五三」のお詣りするご家族も多かったことと思います。

また、11月15日は、昆布の日でもあるそう。
これも「七五三」と関わっていて、
「七五三」のお祝いにあたるこの日に、
子供たちが栄養豊富な昆布を食べ元気に育ち、
そして昆布を食べることを習慣にしてほしい、という
願いがこめられているそうです。

加えて、今の時期、収穫された昆布が新昆布として
市場に出回ることから、滋養たっぷりの
海からの贈り物に感謝をする気持ちも込められているとか。

昆布は、日本の「食」には欠かせないもの。
その歴史は古く、縄文時代に遡る、とも言われています。

栄養面では、カルシウム、鉄分などミネラルが豊富で、また、
昆布のミネラルは体内への消化吸収率がとても高いのです。

昆布の旨み成分であるグルタミン酸には、
脳の機能を活性化させ、痴呆の予防効果があります。
また、カルシウムは、骨や歯を丈夫にしてくれ、
カリウムは、高血圧の予防、むくみの改善に効果的。

そして、嬉しいことに低カロリー。
「昆布の日」にその栄養と美味しさを再確認しました。

さて、きょうご紹介するのは、
塩昆布を使った浅漬けです。
野菜は、旬を迎えるかぶを使いましたが、
ほかに、大根、白菜、等も、同様に作れます。

昆布のうまみに、ごま油の香りが加わって
即席で、美味しい浅漬けができます。
是非、お試しください。

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◆ごま香る~かぶの塩昆布漬け
【材料】(作りやすい分量、3~4人分)
   小かぶ 2個(150~200g)、(細切り)塩昆布 一つかみ(約5g)
   白炒りごま 大さじ1、 金ごま油 小さじ1、
【作り方】
   1.かぶは、皮をむいて薄切りにする。
     (半月切り。縦半分に切り、切り口を下にして、はしから
      うすく切っていく)
   2.ポリ袋に1のかぶと塩昆布を入れて、軽くもみこみ少しおく。
    
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   3.しんなりすると、汁気をかるくしぼって、ごまを混ぜて
     器に盛り、金ごま油を全体にかける。
   4.かぶに葉が付いていれば、葉を細かく切り、塩をかけてしんなりさせ、
     しぼって、ごま油とごまを混ぜたものを、上にちらす。

   ※ お好みで、鷹の爪や柚子皮を一緒に漬けても
     辛みや風味が加わり、美味しいです。

【今回使用したのはコチラ】

いり白
炒りごま(白)


金ごま油290
金ごま油

のた芋~ごま風味の里芋のとも和え

11月も中旬となり、秋真っ只中。
実りの秋、いろいろな農作物が美味しい季節です。

秋に旬を迎えるものに、里芋があります。
とろんとした口あたりに、ねっとりした食感の中、
ほくっとしたお芋感が美味しい里芋。

里芋は、日本には米(稲)よりも早く、
縄文時代に伝わったと言われています。
山ではなく里で栽培されていたので、
「里芋」と呼ばれるようになったとか。
「小芋(子芋)」とも言われるのは、里芋の親芋のまわりに
小さい芋が付いてできるからです。

親芋から子芋、孫芋…と次々と芋がつき、
子孫繁栄のおめでたい食材とされて、
お正月料理にもよく使われています。

ちなみに、かつては「芋」といえば、じゃが芋ではなく
里芋!だったそうです。
古くから、各地、とくに東北地方で、芋煮会など
秋の行事で重宝されてきました。

江戸期には、米の不作に備えて、里芋が作られていたこともあり、また
中秋の名月には里芋をお供えする…
…とにかく、日本人にたいへん馴染みの深い作物です。

里芋は、主に、でんぷんとたんぱく質が主成分。
食物繊維や、ビタミンB1、B2やカリウム等ミネラルが豊富。
脳細胞を活性化させて、老化を防止する働き、
血圧・コレステロールを下げる効果もあります。

独特のヌルヌルには、胃腸の表面を保護し、
胃潰瘍や腸炎を予防する効果もあるそうです。
身体にいいいろいろな働きがあるうえ、低カロリー。
嬉しい食材です。

さて、里芋といえば、煮物や汁物のイメージがつよいですが、
きょうご紹介するのは、里芋の和え物。
里芋を、里芋をつぶして味付けしたあえ衣で和えたものです。
もともとは宮崎県の郷土料理だそうですが、
練りごまを使って、すこしアレンジしました。

だしの美味しさと、胡麻の風味が、味を決めてくれます。
和え衣にねりこんだ胡麻が香り高くて美味しく、
ねっとりした口当たりがよくて、ご飯にもお酒のあてにも
ぴったり。

見かけはちょっと地味ですが、
味わい深く、まさに滋味。是非作ってみてください。

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◆のた芋~ごま風味の里芋のとも和え

【材料】(約4人分)
   里芋 約400g、 だし 300cc、
   A【うす口醤油・ みりん・酒 各大さじ1、塩少々】
   B【白練りごま・白みそ 各大さじ 1.5、
     うす口醤油・みりん・酒・砂糖 各小さじ2】
   白炒りごま 少々

【作り方】
   1.里芋はきれいに洗って、皮のままゆでる。
     (または、蒸す。または電子レンジで加熱する)
   2.大体やわらかくなると、少し粗熱をとり皮をむく。
   3.だしを煮立ててAと里芋を入れて10分ほど煮る。
   4.2の約1/3量(煮くずれているところなど)を取り分け、
     つぶして、Bと混ぜる。
   5.残りの里芋を一口大に切り、4で和えて器に盛り、
     白ごまをちらす。

   ※ 里芋をレンジ加熱するときの目安は、100gで約1分です。
   ※ 本来の「のた芋」は和え衣が甘口のようです。
     お好みの味に調節してください。

【今回使用したのはコチラ】

ねり白150
練りごま(白)


金ごま油290
金ごま油


すり白
すりごま(白)